シャワーブースには個別の脱衣スペースがあり、そこにも鍵がかかる。水圧もシャンプーの質も申し分なく、派手さはないが清潔感と使いやすさが隅々まで行き届いていた。
共有部と個人スペースのメリハリがしっかりしており、施錠できる場所はロッカーとシャワーブースのみ。だから、持ち物の管理に関しては、ちょっと注意が必要だ。
身に着けて持ち運ぶ貴重品以外は、基本的にロッカーに入れておくほうが身軽だろう。その点が部屋に持ち物を広げて置いておける一般的なホテルとは、違う部分だ。
よく見ると宿泊者は若い人ばかりではない。私と同年代や年上の女性も見られる。どなたも何度か宿泊しているのか、システムを使いこなしているようだった。
近未来的な「スリープポッド」
シャワーで一日の疲れを流し、館内着に着替える。そしていよいよ、カプセルホテルの真髄であるベッドスペースへ。
「ナインアワーズ」のベッドスペースはカプセルではなく、「スリープポッド」と呼ばれている。一部の店舗には睡眠解析をするための、特別なスリープポッドが導入されており、予約時に希望すれば利用できる。
眠るだけで、ウェアラブルデバイスなどで睡眠を測るよりも、はるかに多角的で、精度が高いデータが取得され、後日「睡眠解析レポート」が送られてくる仕組みだという。
スリープポッドの内部は、想像していたよりも広く感じた。白いカプセルの内側はなめらかな曲面で、光もやわらかい。棺桶のような閉塞感を心配していたが、杞憂だった。それどころか繭のように包み込まれる感覚で、安心感すらある。枕やベッドの硬さも、私にはちょうど良かった。
照明を落とすと同時に、意識が溶けていった。
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【なんと11時間も眠ってしまった!!】
