「半年くらいで見違えるような自信があふれた感じになるんです。上司も『この人すごく変わったね』と言う。そういうリーダーが一人現れてくると、このプロジェクトは結果を出すことができるなという状態になります」
ただし、日本企業にはこのリーダー層の構造的な課題がある。変革の旗を振るべき40代の人材が、就職氷河期の影響で薄い企業が多いのだ。
「経営者が大きな意思決定をしたいと思っても、それを受けて現場を全部変えられる人材がいるのか。不安を抱えているケースは多いです」
処方箋は、30代の意図的な抜擢と、外部人材の活用の組み合わせだと針ヶ谷氏は言う。抜擢された人材が立ち上がるまでは、コンサルタントが一時的に手足となって支援することもある。
ただし、せっかく育てたリーダーが人事ローテーションで異動してしまうリスクもある。針ヶ谷氏はここにも手を打つ。
「異動させる前に知らせてください、とこちらから経営者に共有をお願いします。気をつけないと普通にあるんですよ、順当なローテーションで。だからこそくさびを打ち込んでおく。せっかく変革の旗を振れる人材が育ったのに、異動で消えたら元に戻ってしまいますから」
その関係が、時に10年以上続くこともある。当時のコンサルタントもクライアント側の担当者も、互いにキャリアを重ねながら関係を維持しているケースは少なくないという。
AIが普及しても、経営を動かすのは結局「人」。 クライアントと信頼関係を築き、AIには読み取ることができない感情の部分を救い上げ、現場が「自走」できる組織をつくること――。
その支援こそが、これからのコンサルタントに求められる使命なのだ。

