
加えて、従来ADASや自動運転領域、車載ソフトウェアを収益源としてきた日系自動車部品メーカー各社は、事業の柱を失う可能性もある。中国テック企業の躍進が続けば、日本のサプライチェーンも危機に立たされるわけだ。
トヨタ系部品メーカーの幹部は「トヨタにおんぶに抱っこの時代はもう終わりだ。調達網や開発の仕方をゼロから見直して、抜本的に体質を変えていく」と意気込む。
一方で、トヨタもこうした強い危機感を共有している。トヨタ幹部は「グループ会社も含めて、サプライチェーンの個社が勝ち残れる力を自らつけなければならない」と強調する。
ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表アナリストは「自分たちのサプライチェーンがついていけなければいつか中国に標準化され、提供価値も同質化される。それを避けたいのがトヨタの考え。中国で学んだノウハウを自社のグローバル車種にフィードバックする必要がある」と警鐘を鳴らす。
中国勢のアメリカ進出の可能性
「中国勢がアメリカに進出する可能性はあるのか、それはいつなのか」
日本自動車工業会や各日系メーカーでは、この仮定リスクが経営陣の間で頻繁に議論されている。トランプ氏は中国勢の参入可能性をちらつかせる。中国市場で苦戦が続く中、アメリカは日本車にとって残された世界最大の市場だ。「安全保障上、中国勢が唯一進出できないのがアメリカ。その前提が崩れれば、一気に日本の自動車産業全体が窮地に陥る」。ある自工会関係者はそう解説する。
産業を牽引するトヨタは20年代後半に、主力車種でアリーンなどのSDV技術を熟成させたグローバルモデルを投入する計画を描く。近新体制の下、かつての成功体験を捨て去り、ソフトウェアを軸とした新たな価値創造ができるか。車の定義が塗り替えられる中、真の「フォーメーションチェンジ」が問われるのはまさにこれからだ。
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