社長交代で始まるトヨタ自動車の新たな挑戦/中国勢が握る次世代車の覇権、新車の価値はソフトウェアが決める時代に

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生き残りを懸け、日系メーカーも巻き返しへ動き出した。

トヨタは25年3月発売のSUV(スポーツ用多目的車)型EV「bZ3X」に、AIを活用した高度な自動運転技術を持つスタートアップ「モメンタ(北京初速度科技)」と共同開発したADAS「トヨタパイロット」を初搭載。26年3月に発売したセダン型EV「bZ7」には、ファーウェイのスマートコックピット「ハーモニースペース」や電気駆動システム「ドライブワン」を初搭載した。シャオミのスマホや家電などと連動できるスマートエコシステムも取り入れた。

bZ7は高級車並みの先進技術を盛り込んでいるが、中国勢の技術をフル活用することで価格は16.98万元(約390万円)〜と、手頃な価格帯を実現した。

「とにかく、今は中国の先進技術を採用して戦える車をそろえなければならない。自社開発では技術や価格競争力に限界がある」。トヨタ幹部は率直にそう認める。

こうした動きはトヨタだけではない。日産も昨年4月に投入したセダン型EV「N7」や昨年末発売のPHV(プラグインハイブリッド車)「N6」、ガソリン車「ティアナ」などで、ファーウェイやモメンタといった中国テック企業の技術を幅広く採用。9.99万元(約230万円)〜13.99万元(約320万円)という戦略的な価格で展開を始めた。

両社とも“中国オリジナルEV”の売れ行きは好調で、一定の巻き返し効果を見せている。こうした中国勢との連携は、フォルクスワーゲンやBMW、メルセデス・ベンツなどドイツ勢も同様の動きを取っている。

部品メーカーに迫る淘汰

ただ、SDVの基幹技術となる知能化領域で中国勢に依存する状態が長く続けば、自社の競争力を失いかねない。中国で独り負けの状態が続いているホンダの幹部は、「もちろん中国の技術を採用すれば現地で売れるかもしれないが、自前技術にこだわらなければ日本の産業として将来どうなるか考える必要がある」と主張する。

経産省は日本国内の車載ソフトウェア市場について、「ADAS・自動運転」や「インフォテインメント・コネクテッド」で外資委託比率が3〜5割になると予測する。「隠れデジタル赤字」として35年には最大1.3兆円の国富流出が発生すると分析する。

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