横浜駅西口「砂利置き場から一大繁華街へ」の70年 放置されていた「荒れ地」が変貌、次の再開発も始動

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また今後の再開発では、いかに横浜の個性を打ち出すかも課題となる。新宿、渋谷、品川など東京都心の各エリアでは、ダイナミックな再開発が進んでいる。さらに相鉄線の都心乗り入れ実現により、横浜と東京との距離がますます近くなった。

圧倒的な経済規模を誇る東京と真正面から競うのではなく、「横浜らしさ」をどう磨き上げるか――。その戦略が問われるのだ。

「繁華性や界隈性といった横浜駅西口の個性を残しつつ、安全性、機能性、環境性といった面で、現代の街に求められているスペックにバージョンアップするという視点で開発を進める。また西口には河川が縦横に走っているが、現状では十分に活用できていない。例えば、界隈性の中にぱっと広がる開放的な親水空間をつくることができれば、横浜らしい魅力の向上につながるのではないか」

横浜駅西口周辺地図
横浜駅西口繁華街 帷子川
雑然とした雰囲気が残る横浜駅西口繁華街。河川空間が生かしきれていないのが現状(筆者撮影)
【写真をもっと見る】今では信じられないが、70年前に開発が始まるまでは砂利置き場などの「荒れ地」だった横浜駅西口。地図や「平原」が広がっていたかつての写真、そして1980年代、2010年代の姿と現在の西口付近の表情

20年以上続く長期計画

さらに、西口には現状不足している機能もある。

「西口は商業で進化してきた街で、商業施設の割合が圧倒的に高い。それが強みである一方、オフィスやホテル、住宅、学校、文化施設などは、他都市と比べると不足していると感じる。当社はムービル内にオフィスを構えているが、建て替えにともない、西口エリアで移転先を探す難しさを身にしみて実感した。よりバランスの取れた街となるよう開発を進め、さまざまな人が集まり、その交流から新しい価値が生れるような場にしていきたい。その意味で、再開発のコンセプトとして『Well-Crossing』を掲げている」

今後20~25年の長期にわたって続く今回の再開発事業は、70年前の川又貞次郎の挑戦と同様、相鉄グループの社運をかけたものになる。海外事業も含めた収益基盤の強化や成長戦略など、グループの総合力が試されることになりそうだ。

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森川 天喜 旅行・鉄道作家、ジャーナリスト

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もりかわ あき / Aki Morikawa

日本ペンクラブ会員。旅行、鉄道、ホテル、都市開発など幅広いジャンルの取材記事を雑誌、オンライン問わず寄稿。メディア出演、連載多数。近著に『かながわ鉄道廃線紀行』(2024年10月 神奈川新聞社刊)などがある。同書は日本旅行作家協会より第7回「旅の良書」に選出。2025年6月より神奈川新聞日曜版にて「かながわ鉄道英雄伝」連載開始。

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