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「給付付き税額控除」の前に寄り道すれば「食料品消費税ゼロ不況」の最悪事態・・・買い控えの反動増なく、かえって物価高騰

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
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しかし、食料品消費税ゼロが実施されれば、買い手は食料品の消費税がゼロになった分、つまり税込み価格の7.4%(=8/108)がなくなって売値が引き下げられるものと思い込むだろう。

免税業者は、現行の税率下でも消費税を課されていないのだから、食料品消費税ゼロが実施されたとしても、売値は何も変える必要がないのにもかかわらず、7.4%分の値下げを求められるおそれがある。そこまで引き下げられないとしても、売値の引き下げ圧力がかかる。

本来、免税業者は、食料品消費税ゼロに対しては中立的なはずだが、取引関係から売値の引き下げ圧力がかかり、売上額が減って所得が減るおそれがある。

こうした事態は、経済全体にどのような影響をもたらすか。

買い控えの反動増は食料品では起こらない

最悪の場合、「食料品消費税ゼロ不況」が起きうる。農業や漁業者や外食産業の付加価値が日本のGDPに占める割合が小さいからといって侮れない。

発端は、食料品消費税ゼロの実施日が確定すれば、それに向けて飲食料品の買い控えが始まる。当然だが、消費者が、税率が0%になるまで待てるものは買うのを待とうとするからだ。その段階で、民間消費の減退という形で経済成長率を引き下げる。

同時に起きることは、農家や漁業者や飲食料品販売業者の利益が減ることである。これが、後の段階にボディーブローのように効いてくる。

食料品消費税ゼロが実施されれば、買い控えはなくなるが、買い控えた分の需要が上乗せされて消費が増えるということはない。なぜなら、買い控えの時期は、必需品である飲食料品の買い控えは少ないが、高級食材やプレミアムな食品の購入や衝動買いをやめる形で買い控えが起き、それが税率が下がれば元に戻るだけだからである。

食欲には限りがあり、人は満腹を超えて食べられない。そこが、耐久消費財の買い控えと異なるところである。買い控え時に失われた飲食料品の消費は失われたままとなる。

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【農業・漁業の廃業増が招く裏腹な事態】

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