「給付付き税額控除」の前に寄り道すれば「食料品消費税ゼロ不況」の最悪事態・・・買い控えの反動増なく、かえって物価高騰

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

農家は、肥料・飼料や資材などの仕入れに際して、標準税率の10%の消費税を払う。そして、それを元に生産した農畜産物は軽減税率が適用され、農家は販売時に売り上げの消費税を預かる。

仕入れ時の消費税は、仕入税額控除が適用され、売り上げ時の消費税よりも多い場合は、税務署から還付を受ける。食料品消費税ゼロを実施すれば、税抜きの仕入れと売り上げが変わらないとすると、還付される差額は大きくなる。

最終的には還付されるのだが、仕入れと売り上げには時差がある。その上、納税・還付申請は原則として年1回だから、さらに時差がある。

仕入れ時の消費税が先だから、まずは消費税を払うことから始まる。その分は、農家の自腹、いわば「立て替え」である。その後農畜産物を販売すると売り上げ時の消費税を受け取る。仕入れ時の消費税の負担が緩和される。

とはいえ、還付を受けることになる農家だと、農家の立て替えは残っている。そしてやっと申告時期になって、還付が受けられて精算される。

農家の立て替え払いが重しに

現行の税率でも、こうした状況は起きている。しかし、食料品消費税ゼロが実施されれば、農家の立て替え額は増加する。そのように増える立て替えができる資金的余裕がある農家ならよいが、それに耐えられない農家は廃業に追い込まれる。

現行の税率なら持ちこたえられても、食料品消費税ゼロが引き金になって増えた立て替えに耐えられず廃業せざるをえなくなる可能性がある。漁業者も同様である。

もちろん、消費税の課税期間特例があって、納税・還付の期間を最短1カ月にすることはできるが、課税業者の事務負担が増えるから、時差を短くするにも限界がある。

上記は、消費税課税業者の場合である。

加えて、農林水産省によると、農家の85%は消費税免税業者(課税売上高が1000万円以下の小規模事業者)という。免税業者は、消費税を課税しない。現行の税率での売値は、免税業者は消費税を課していない売値である。

次ページ免税事業者がさらされる値下げ圧力
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事