サンパウロの日本文化発信地、リベルダージ地区で無数の特撮ヒーローグッズに囲まれて暮らすベッチ林さん。
スーパー戦隊の制作休止を知ったのは、昨年、ブラジル発特撮聖地巡り企画「トクツアー」(関連記事:「チェンジマン」好きすぎる彼が"埼玉"で叶えた夢)で、日本に到着した日だった。
成田空港から東京へ向かう貸し切りバスの中、フォローしているオリコンニュースのXで目にしたその情報に、「ウソでしょ?」とショックを受け、呆然とした。戦隊シリーズは永遠に続くと思っていたからだ。
日系3世ゆえ理解できた情報を車内のツアー参加者に共有すると、周囲は「マジか?」とざわついたそうだ。
孤独を一変させたヒーロー
林さんにとってスーパー戦隊は、子どものときに遭った学校でのいじめから救ってくれた大きな存在だ。
生まれ育ったサンパウロ市南部のインテルラゴス地区は、リベルダージと異なり日系人が少ない。かつてブラジルには日系人の容姿やなまりを茶化したCMやテレビ番組出演者が少なくなかったため、その影響で林さんは小学校のクラスでからかわれ、仲間外れにされた。
孤独な状況を一変させたのが、2つの特撮ヒーローシリーズだった。
林さんは、日本人俳優が戦う特撮ヒーロー番組、なかでも女性戦士が活躍する『電撃戦隊チェンジマン』以降のスーパー戦隊シリーズによって、それまで卑下していた日系人としての自身に、むしろ誇りが持てるようになった。
また、特撮ヒーロー番組に夢中になった多くのクラスメートも、日本人はかっこいいと認識を改めたのだそうだ。
「集めていたジャスピオンやチェンジマンのコレクションカードを交換することで、クラスメートの仲間に入れてもらえた」と、林さんが振り返ってくれた。
「女性戦士がいることも魅力ですが、スーパー戦隊シリーズの大きな魅力は独りではなく、仲間とともに戦うことです。そのシリーズを通じて、私には同じ関心を持つたくさんの仲間ができました。それこそ特撮ヒーローたちが私に与えてくれた最大の宝物です。シリーズの休止に、自分の人生の重要な一部分が失われる気持ちです」



















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