「約3800万円の落札事例も」F1エンジンをコレクション化する「メモラビリア」のビジネスとクラシックカーの投資的価値

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実際のF1エンジンのボルトを使用し、ジュエリー・アトリエのB.L.Sが仕上げたペンダント
実際のF1エンジンのボルトを使用し、ジュエリー・アトリエのB.L.S.が仕上げたペンダント(写真:筆者撮影)

HRCも商品化に先立って類例を調査したそうだが、ついに見つからなかったという。今回発表されたジュエリー・コレクションは、それくらい貴重で独創的なものといえる。

では、実際にそうしてできあがったジュエリーの仕上がりはどうだったのか。

私はその分野の専門家ではないので客観的な判断はできないかもしれないが、宝飾店などで販売されているジュエリーとはだいぶ趣が異なることは間違いない。なにしろ、宝石や貴金属に比べればはるかに輝きに乏しいエンジンパーツがジュエリーの一部として組み込まれているのだ。一般的なジュエリーのコレクターからすれば「なんだ、これ?」といいたくなることだろう。

通常のジュエリーとは異なる価値観

1990年にF1に参戦した本物のマシンから分解し、取り出したエンジン内部のクランクシャフトやピストン、バルブ類などのパーツ
1990年にF1に参戦した本物のマシンから分解し、取り出したエンジン内部のクランクシャフトやピストン、バルブ類などのパーツ(写真:ホンダ・レーシング)

ただし、クルマやモータースポーツの愛好家たちは別の見方をするかもしれない。とりわけ、自分がファンだったドライバーが実際のレースで用いたパーツが使われていると知れば、きっと深い感慨を覚えるはず。いや、そうでなかったとしても、F1エンジンのパーツにはある種の美しさが潜んでいる。

別にそれが、もともと美観を追求して作られたものでなかったとしても、極限の性能を追求して作られたエンジンの部品であれば、そこにはある種の機能美、もしくは“凄み”といったものが感じられるからだ。したがって、クルマやモータースポーツのファンであれば、一般の人々とは異なる価値をそこに認めたとしても不思議ではない。

また、今回ジュエリーの制作に関わったB.L.S.のデザイナーは「F1に挑戦した技術者たちの思いが、そうした部品を通じて、何かに挑もうとしている人々を勇気づけることができるのではないか」という主旨のことを語っていた。つまり、たとえ挑戦するジャンルが異なっていたとしても、F1エンジンのパーツに込められた思いは人から人へと伝わっていく可能性があると期待しているのだ。

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