国家情報局の創設は国を誤らせないか 情報員の能力不足と組織の忖度体質が招く深刻なリスク

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2026年3月3日、自民党インテリジェンス戦略本部がまとめた提言を小林鷹之本部長(中央左、政調会長)から受け取る高市早苗首相(同右、写真:時事)

政府与党は国家情報局の創設を進めている。今の内閣情報調査室を格上げする。それにより自衛隊、公安調査庁、公安警察、外務省の情報部門を統括する計画である。

その目的は政府のインテリジェンス機能を強化するためとしている。外交や防衛をはじめとする諸政策において、情報を集めたうえで正しい判断を下すためと説明している。

しかし国家情報局の創設には、看過できない不安が残る。それは、かえって国を誤るのではないか。政権に都合のよい結論を求められるままに出すのではないか。そのような危険性が払拭できないからである。

能力は十分なのだろうか

第1に、日本の情報組織には能力や性質に不安がある。そんな組織に、日本の将来を委ねる判断をさせてよいのかどうかだ。

自衛隊の情報部署を見る限り、そのような印象を受ける。筆者は司令部や機関、統合部隊、防衛省の最高指揮所に15年ほど勤務していた。その際に情報部署とは接点があった。その経験からすれば、彼らに太鼓判は押せない。

たいへん言いにくいことだが、担当者の水準を考えると高評価をしがたい。情報士官のうち中核となる「A幹」と呼ぶ大卒士官の知力が高い印象はない。自衛隊の場合、士官の知的能力は職域で偏らないようにしている。艦艇、経理補給、整備に分けるときには、トップから最下位までまんべんなく配分する。パイロットも例外ではない。やはりトップから最下位まで均等に配分されている。

ただ、情報に関してはトップ級がいる印象がない。若手下士官から登用する「B幹」や、現場経験を積んだ「叩き上げ」の「C幹」のほうが水準は高い印象もある。

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