「ビジネスケアラー」という言葉に感じた強い違和感の正体、どこまで親の介護を担うかは自分で「線引き」していい
具体的には、仕事と介護を両立するための制度として、介護休業制度があります。2週間以上「常時介護」が必要な家族(配偶者、父母、配偶者の父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫)を介護するために、一定の期間休業することができるものです。育児・介護休業法で定められています。
休業できるのは、要介護家族1人当たり93日間(3回まで分割して取得可能)まで。企業によってはもっと長くしています。また、年5日まで(対象家族が2人以上の場合は最大で10日まで)1日または時間単位で休める介護休暇なども利用可能です。詳細は、勤務先の人事や総務に相談しましょう。
Aさんは「介護休業が93日では短すぎて使えない」とも考えました。確かに、ほとんどの場合、介護は93日では終わりません。93日間は、自分で介護をするというより、親がなるべく自立した生活ができる体制を整えるための期間なのです。
例えば、介護休業を利用して、一定期間、親が慣れるようにホームヘルパーが来る日にそばにいたり、デイサービスに同行したりすることもできるでしょう。施設探しに利用する人もいます。
2025年に法律が改正され、仕事と介護の両立支援制度は強化されています。介護離職防止のための雇用環境整備、介護休業や介護両立支援制度の個別の周知・意向確認などの情報提供は事業主の義務となりました。
それに、介護休業などを申し出・取得したことを理由とする、解雇、雇い止め、降格などの不利益な取り扱いは育児・介護休業法で禁止されています。
「介護離職」しても負担は減らない現実
Aさんのケースは他人事ではありません。実際に親の介護が始まると、さまざまな状況が発生して、1度や2度は“離職”という2文字が頭をよぎるかもしれません。
実際、2024年に「介護・看護」を理由に離職した人は約9.3万人(男性約3.4万人、女性5.9万人)も。男性では「45~49歳」が、女性では「55~59歳」が最も多くなっています。
経済産業省では2030年には仕事をしながら家族などの介護をする労働者は318万人となり、生産性低下に伴う経済損失は約9.2兆円にのぼると試算しています(*1)。





















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