「朝夕は53分も踏切が開かず」「百貨店は消滅、ヨーカドーも閉店」…埼玉にある「駅の東西で分断された街」衰退の背景

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利便性があっても、「止まる理由」がなければ人は通り過ぎてしまう。春日部が抱える構造的な課題のひとつが、ここに表れている。

にぎわいは駅前でなく、ロードサイドにあった

では春日部は、住む人や観光に来る人を増やす施策を取れて来たか。ロビンソン百貨店は、結果的には市民のニーズに合わない誘致だったが、その後はどうか……。

街歩きをすると、一筋縄ではいかなかった街づくり、駅周辺の開発の実態が見えてくる。

ララガーデン春日部
西口から徒歩約5分のララガーデン春日部(写真:筆者撮影)

西口から歩いて5分にあるララガーデン春日部(2007年開業)。施設内には三越春日部が入居している。ギフトや贈答品といった「ハレの買い物」の機能が、百貨店ブランドのままショッピングセンターの一角に縮小されて残っている形だ。

開業当初のララガーデンは「自然環境を取り込んだオープンモール」がコンセプトだった。春日部には、ララガーデンシリーズで初めてフードコートが設けられた。さらにクレヨンしんちゃんのゲームセンター、シネコン、アパレル店に加え、ユニクロ・無印良品・アカチャンホンポという定番の大型テナントがそろっていた。

しかし現在、フードコートはなくなり、スーモカウンター、ほけんの窓口、音楽教室など、明確な目的がなければ立ち寄らないテナントに置き換わっている。ユニクロも退店し、跡地には家電量販店のノジマが入った。アパレルやファッション雑貨の店は次々と姿を消し、ペット関連店や動物病院、床屋などへと入れ替わっている。

吹きさらしのオープンモール構造は「開放的な空間」を掲げているが、同時に冬の冷たい風も呼び込む。取材した雪の日、3階の通路に人の姿はほとんどなかった。

ララガーデン内の三越
ララガーデン内の三越。贈答品などはここで揃う(写真:筆者撮影)
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