日本株の熱狂を冷ややかに見るジム・ロジャーズ氏の最終警告「通貨安を喜ぶ日本人は『歴史の鉄則』をわかっていない」

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片山さつき財務大臣は令和8年度の予算審議にあたり、一般会計におけるプライマリーバランスが当初予算としては28年ぶりに黒字化していることなども強調。「責任ある積極財政」は「先を見据えた財政政策であり、決して、いたずらに拡張的に規模を追求するものではない」としました。

しかし、ロジャーズ氏の視点は異なります。 アベノミクスに続きサナエノミクスについても「通貨を切り下げ続けた国で、長期的に繁栄した国はない。短期的には好景気を演出できても、いずれ代償を支払うときが来る」と言います。

歴史をひもとけば、通貨価値を意図的に下げて一時的な繁栄を謳歌した帝国や国家は、例外なくその後、激しいインフレと国民の生活破綻に直面してきました。ロジャーズ氏は「歴史は繰り返す」という投資家としての鉄則から、日本が同じ轍を踏もうとしていることに強い懸念を抱いています。

「円安による株高」を喜ぶ一部の日本人の「致命的な誤解」

「円安を喜ぶということは、本当に愚かな行為だ」 ロジャーズ氏のこの言葉は、多くの日本人にとって耳の痛いものでしょう。

一般的に、円安は輸出企業の国際競争力を高め、株価にプラスに働くと考えられています。しかし、それは「国全体の富」が増えていることを意味しません。むしろ以下のことが起きていると自覚すべきでしょう。

購買力の低下:日本円しか持たない国民は、世界全体から見れば相対的にかなり貧しくなっています。

輸入インフレの固定化:エネルギーや食料を海外に依存する日本にとって、円安は生活コストの永続的な上昇を意味します。

格差の拡大:株式や不動産などインフレに強い資産を持つ富裕層は潤いますが、ほとんど現金(円)しか持たない貧困層は実質的な資産目減りに苦しむことになります。

一部の企業利益の増加と引き換えに、国民全体の生活基盤を破壊している――。これがロジャーズ氏の見る「円安株高」の正体です。

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