「1バレル200ドル」の警告 再エネ阻む化石燃料ロビーの罪と、日本経済"景気後退"のおそれ

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今年のこれまでのドル/円の平均は156円で、現在は159円に迫っている。戦争の期間と物理的被害の程度によっては、円はさらに弱含み、日本はGDPの6〜7%、あるいはそれ以上を石油、ガス、石炭に費やすことを余儀なくされる可能性がある。

3月12日のブレント原油価格は22年と同じ100ドルであり、アメリカが効果的な対応をとらなければ、イランによる船舶や石油施設への攻撃継続によって、価格はさらに上昇しうる。

日本の輸入コストの跳ね上がりは、日本の家計から諸外国への莫大な所得移転を意味し、経済を確実に押し下げる打撃となるだろう。

原油だけではない。原油価格が高騰すれば、天然ガスや石炭の価格も上昇する。日本はこれらについて長期契約を結んでいるが、それは「供給」を確保するものであって「価格」を固定するものではない。

戦争や自然災害を理由にサプライヤーが契約上の「不可抗力(フォース・マジュール)」条項を発動すれば、供給すら保証されない。すでに一部のアジアの石油化学メーカーなどは発動に踏み切っている。LNGの確保をめぐる争奪戦はすでに始まっているのだ。

高市首相の慎重姿勢と化石燃料への固執

国会でイラン情勢とアメリカの支援要請について問われた高市早苗首相は、この戦争は安保法制上の「存立危機事態」には当たらず、自衛隊がアメリカ軍の作戦を支援できる状況ではないとの認識を示した。外相によれば、今のところアメリカからの支援要請はないという。

しかし事態は急速に変化しており、1週間後(3月19日)にワシントンで予定されている日米首脳会談でトランプ氏が何を要求してくるかは未知数だ。日本政府はイランを敵に回したくない一方で、トランプ氏の要請を袖にすることも避けたいという苦境にある。

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