「1バレル200ドル」の警告 再エネ阻む化石燃料ロビーの罪と、日本経済"景気後退"のおそれ

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日本への影響が、供給遮断ではなく大幅な価格上昇にとどまったとしても、それだけで十分に深刻だ。

野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストによれば、もし原油価格が1バレル120ドルに戻り、その状態が一定期間続けば、年間GDP成長率を0.47ポイント押し下げ、インフレ率を0.83ポイント上昇させるという。同氏は開戦時、「価格上昇が続けば個人消費のレベルを維持できず、日本経済は景気後退に陥る可能性がある」と断言した。

さらに野村証券によれば、原油価格が10%上昇した状態が1年続けば、円相場は3〜4円安くなるという。直感的にはやや過大な予測にも思えるが、いずれにせよ円安が進めば進むほど、エネルギーや食料品の価格上昇は一段と激しくなる。

より恐ろしい脅威は、双方による石油・ガス施設への攻撃だ。被害の程度によっては、通常の能力を回復するまでに数カ月、下手をすれば数年かかる。

LNGの備蓄はわずか2週間分程度

LNGは石油よりもさらに脆弱かもしれない。その結果、1973年のアラブ諸国による一時的な石油禁輸措置以来、初めて日本は「いくら金を積んでも十分な供給を確保できない」事態に直面する可能性がある。日本のLNG備蓄はわずか2週間分程度であり、200日分ある石油とは対照的だ。

前回の価格高騰時(2022年、ブレント原油が101ドル、ガスが33ドルだった際)、日本のエネルギー輸入コストはGDPの3%から5.8%へと倍増した。石油はこのエネルギー代金の半分を占める。

22年のコスト増は、21年の1ドル=110円から131円へと急激に進んだ円安によって悪化した。昨年、原油が69ドルでドル/円の平均が145円だった時、燃料輸入コストはGDPの3.3%だった。

(出所)https://www.customs.go.jp/toukei/info/tsdl_e.htm
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