実は「60代再雇用」よりヤバい「50代後半の働かないおじさん」の"モチベーションなし"問題――データで示す驚きの実態

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そして、ビジネスキャリアを昇進昇格という意味でとらえるなら、役員や役員候補として昇進レースに勝ち残っている少数の人を除けば、現状以上の可能性はありません。

すでに役職定年になった人も少なくないでしょう。そして昇給についても、給与テーブルの上限に到達していて、もう昇給の余地がないかもしれません。処遇面では、まだ給与が引き下げられていないというだけで、50代後半も60代前半も大して変わらないという見方ができます。

50代後半・60代は連動している

50代後半社員と60代前半社員の共通項は役割認識や処遇面だけではありません。

・自分の意見は職場で尊重されている 50代後半43.6%、60代前半43.5%
・職場で重要な情報が自分に共有されている 50代後半45.3%、60代前半47.2%

職場での位置づけも、ほとんど変わりません。

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そのような状況なので、企業から見た50代後半社員と60代社員の活用状況は、「ほぼ例外なし」と言っていいほど連動しています。

50代後半社員の活用がうまくいっていない企業は、60代前半社員の活用もうまくいっていません。逆に、50代後半社員の活用がうまくいっている企業は、60代前半社員の活用もうまくいっています。

また、雇用義務がない60代後半社員の活用成功度も50代後半社員、60代前半社員と連動しています。60代社員の活用だけうまくいっている企業、逆に、60代社員の活用だけがうまくいっていない企業などはないのです。

しかし、社員活用がうまくいっていない理由については、必ずしも50代後半と60代前半を同一視することはできません。

4割以上の企業が60歳になると役割・責任を軽くします。65歳定年企業であっても、60代社員には59歳以下とは異なる人事制度を適用する企業もあります。いわば、会社として公式に「半・現役」扱いするのです。

一方、50代後半社員については、人事制度的には20代、30代の社員とも同じ枠組みの中にあります。例外は、役職定年くらいです。会社から「半・現役」扱いされているというよりは、本人が自ら「半・現役」モードに入っている側面が大きいと言えるかもしれません。

藤井 薫 パーソル総合研究所シンクタンク本部 上席主任研究員

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ふじい かおる / Kaoru Fujii

パーソル総合研究所シンクタンク本部 上席主任研究員。電機メーカーの人事部・経営企画部を経て、総合コンサルティングファームにて20年にわたり人事制度改革を中心としたコンサルティングに従事。その後、タレントマネジメントシステム開発ベンダーに転じ、取締役としてタレントマネジメントシステム事業を統括するとともに傘下のコンサルティング会社の代表を務める。 2017年8月パーソル総合研究所に入社、タレントマネジメント事業本部を経て20年4月より現職。タレントマネジメントを中心とした調査研究を担当。人事専門誌などへの寄稿も多数。

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