覚悟はしていたけれど…「同じ仕事なのに給与が減る」60代再雇用の戸惑い――課題は「給与ダウンをどう受け止めるか」
一方、「全員一律基準」の企業でも、「ほぼ同様の職務」を担当する人が4割を超えます(図表25)。
全員一律基準では、仕事が変わらない人も軽くなる人も低下率が同じになるので、役割・責任が変わらない人にとっては、不条理や不平不満を感じる状況になりそうです。
そのような人が4割を超えるとなると、企業にとっても由々しき事態です。企業は深刻に受け止める必要があります。
それにもかかわらず、なぜ「全員一律基準」を採用する企業が3分の1もあるのでしょうか? 実際は悪平等でしかないのですが、「全員一律なら効率的で公平だ」という人事部の安直な判断であり、怠慢です。
厳しい言い方をしましたが、現実問題として企業側の事情を考慮すると、「全員一律基準で、年収を引き下げたくなるだろうなぁ」というケースもなくはありません。
それは、50代以下の社員の給与があまりに年功的で、管理職も高度専門職も、あるいは担当者であっても大差ないという企業です。もともとの年収が役割・責任を反映していないので、今さらそれを持ち出してもそれほど意味がない、みんな一律に下げてしまえばいいだろうというわけです。
とりあえずの60代処遇施策としてわからなくもないですが、本来は、まず50代以下の社員の処遇制度を適正なかたちに整えておくべきです。やはり、人事部の不作為が問われます。
心情的なダメージもじわじわ…
「60歳になったら給料が下がることはわかっていて、十分その心づもりをしていたつもりだったけど、いざそうなってみると、想像していたよりショックが大きくて。諦めがつくまで1年近くかかったよ」
「自分は仕事も会社も好きだったし、会社も自分のことを認めてくれていると思っていたけど、今はそうでもないかな」





















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