《積水ハウス事件》「地面師」たちのまさかの"その後" なぜ大企業は狙われたのか…主犯格から届いた衝撃の手紙

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森功氏
ドラマ『地面師たち』の元ネタとなった『積水ハウス事件』。犯人たちの証言から、地面師詐欺の構造を明らかにしていきます。ノンフィクション作家の森功氏に取材しました(撮影:尾形文繁)
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2024年に大ヒットしたNetflixドラマ『地面師たち』。元ネタとなった『積水ハウス事件』は、被害額が約55億5000万と過去最大級にのぼり、18年に17名が逮捕(うち10名が起訴)にいたった。
不動産の所有者になりすまし、勝手に土地を売却して、買主から売買代金を騙し取る。報道やメディアを通じて、詐欺の全貌が詳らかにされてきた一方で、今なお地面師らは暗躍し続けている。
なぜ地面師詐欺は根絶しないのか、逮捕された詐欺集団はその後どうなったのか――。26年2月に『地面師vs.地面師 詐欺師たちの騙し合い』を上梓した、ノンフィクション作家の森功氏が語る。
※()内は筆者による整理・加筆。

報酬はわずか1億円

――2026年2月に上梓された『地面師vs.地面師 詐欺師たちの騙し合い』は、『積水ハウス事件』で逮捕された地面師グループの主犯格から手紙が来たことが、執筆のきっかけになっています。手紙には「私は無実です」「他に首謀者がいる」といった趣旨が記されていました。

:これまで数々の地面師詐欺を追ってきたなか、実行犯や関係者に取材すると、たいてい「俺は事件の全貌は知らず、騙されただけで無実だ」とシラを切るんですね。

積水ハウス事件で、地面師グループの親玉として逮捕されたカミンスカス操も同じでした。「もともと詐欺の話を持ち込んだのは別のアパレルE社で、社主の横澤(仮名)が話せばすべてがわかる。騙し取った55億5000万円のうち、報酬は1億円しかもらっていない」と弁明してきた。タイトルに据えた『詐欺師たちの騙し合い』は、グループの親玉たちが罪をなすりつけ合う構図を示唆しています。

過去の取材からも、アパレルE社が黒幕だと証言する関係者がいたため、カミンスカス操の主張もあながち間違いではないかもしれない……。俄然、興味が湧き、手紙のやり取りが始まりました。

書籍
(撮影:尾形文繁)

――カミンスカス操は、具体的にどのような弁解をしていたのでしょうか。

:カミンスカス操からの手紙を簡略化すると、積水ハウス事件の全貌は下記のようになります。

地面師グループ

元付け(土地の所有者から直に売却を依頼された代理人)
※件のアパレルE社。登記簿上は銀座に拠点を置いている。

羽毛田(なりすましの地主役)

カミンスカス操(積水ハウスとの取引を主導して「主犯」と見なされる)

イクタホールディングス(地主と積水ハウスの間に入る中間業者)

積水ハウス
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