《積水ハウス事件》「地面師」たちのまさかの"その後" なぜ大企業は狙われたのか…主犯格から届いた衝撃の手紙
森:この構図をもとに、事件の首謀者として逮捕されたカミンスカス操は、元付けに騙されて事件に巻き込まれただけと弁明するのです。「E社の社主である横澤が、事件を主導した別の地面師グループと、なりすまし役をつなぐ存在だった。自分は途中までなりすましを本物の地主だと思っていた」と主張しているわけです。
ちなみに事件は18年に摘発されていますが、今なおE社と社主である横澤は正体不明です。中間業者であるイクタホールディングスの会長と社長も、「地面師に騙されただけ」と不起訴になっており、事件は解明されていない点が多々残されています。
17名のうち7名が不起訴の理由
――いまだ解明されていない謎が、多く残るのはなぜでしょうか。
森:一因として、地面師グループが縦割りで、メンバー間で情報を遮断していたことが挙げられます。
地面師詐欺では、犯行全体を取り仕切る頭目の下に、なりすましを手配する「手配師」や、登記などの書類を偽造する「道具屋」、お金の振込口座を準備する「銀行屋」、詐取した現金を運ぶ「運び屋」、法的手続きを担う弁護士や司法書士などの「法律屋」などがいます。
こうした一味が、Netflixのドラマでは、ハリソン山中を頂点とした犯行グループの指揮命令系統が徹底されているように描かれていました。
ただ現実は、全員がトップから直接指示を受けているわけではなく、ドラマのように一同で作戦会議を行うことはまずありえない。情報管理を徹底することで、事件の全貌が漏洩するのを防ぎ、芋づる式に捕まるのを避けるためです。
だからこそ捜査も一筋縄ではいかず、カミンスカス操のように「俺は騙されただけ」と訴える人物が出て、逮捕された17名のうち7名が不起訴になっているわけです。
――組織が連携していないほうが、立件される可能性も低く、逃れやすいと。
森:その辺りが巧妙なところです。
特殊詐欺も同様に、暴力団や半グレが関与するトップから、犯罪集団を統括する「指示役」、実行役を雇う「リクルーター」、そして「受け子」や「かけ子」と縦割りになっており、お互いが秘匿性の高いアプリでやり取りをしている。犯罪組織は得てして、どれも近しい構図になっているのだと思います。





















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