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SNS炎上の常連、テストの「トンデモ採点」はなぜ起きる? 先生の事情と「我が子が"人質"で指摘は怖い…」親の切実な声

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  • 樋口 万太郎 中部大学 現代教育学部 現代教育学科 准教授
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つまり、授業における「定規を使いなさいと指導した」「筆算はこの型で教えた」といった手順の遵守を、学習の定着度として測ろうとしているのです。

もし、授業で伝えていないにもかかわらず独自ルールで減点しているのであれば、そこに教師側の正義も論理も存在しませんが……。

また、学習の定着度として考えるのであれば、本来は漢字を間違えてしまったときには、テスト返却時に「ここは惜しいね」「社会科としては正解だけど、漢字は次はこう書こうね」と個別に声をかけるのが理想です。

しかし、30〜40人の学級を一斉に指導し、山積みの丸付けを短時間で処理しなければならない現実の中では、どうしても画一的な基準で機械的に判断せざるを得ない側面があります。

こういったことが保護者に、そして子ども自身にも伝わっていないということも考えられます。

教師に残る「呪縛」と親の「怖い」という気持ち

また、教師自身の経験が「呪縛」となっているケースも少なくありません。例えば「長方形の面積の公式はたて×横でないとダメだ」と思い込んでいる先生は、「横×たて」でもいいにもかかわらず、減点をしてしまいます。

これは教師側の問題といえます。その影響もあるのか、“こういう場面では○をしましょうという注意書き”が、私が小学校教員になった20年前よりも回答集で増えたようにも感じます。

では、なぜ保護者は直接学校に問い合わせず、SNSに投稿するのでしょうか。

そこには、学校という閉鎖的な空間特有の、非常に重たい心理的ハードルが存在している可能性があります。

教員時代、ある保護者の方から言われた言葉が忘れられません。その方はとても協力的で、私の未熟さにも寛容な方でしたが、ふとこう漏らしたのです。

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【先生も保護者も再考すべきSNSの使い方】

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