日本から中東向けのコンテナ輸送では、湾岸諸国のインフラ建設や物流需要の拡大を反映し、自動車など(第87類)と一般機械(第84類)が圧倒的な主力です。
25年にはそれぞれ3278億円、3112億円と2品目で輸出全体の約6割を占めています。ほかにも人造繊維(短繊維)が23年比で69%増加、プラスチックが34%増、各種化学工業品が33%増と顕著な伸びを見せており、まず、これら品目の輸出を中心に影響が及ぶと考えられます。
自動車については先述のとおり、ペルシャ湾への輸送ルートが事実上途絶しています。また、中東向けの完成車については信用状(L/C)が発行されにくくなる可能性もあるため、貿易金融面からも荷動きが停滞するリスクがあるとの指摘もあります。今後、ペルシャ湾岸の港湾が長期間機能しなければ、日本の自動車メーカーや部品メーカーにとっても大きな打撃となります。
今回の危機が世界の物流に与える影響を中長期で考えると、いくつかの重要な論点が浮かび上がります。
喜望峰経由のルートが定着か?
紅海・スエズ運河を通るルートはフーシ派の攻撃リスクにより正常化の見通しが立っておらず、23年以降、すでに多くの船社が喜望峰経由を続けています。そこへホルムズ海峡危機が加わった今、コンテナ船各社が昨年末以降スエズ運河への回帰を進めていた動きは完全に後退しました。市場関係者の間では「当面は喜望峰経由のルートが定着するだろう」という声が支配的です。
この状況では、コンテナ運賃は24年のフーシ派問題勃発時と同様、高止まりが続く可能性があります。喜望峰経由の航海距離の延長が実効的な船腹供給量を減少させ、荷動きが回復するにつれてコンテナ運賃が上昇しやすい構造になっているためです。




















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