ホルムズ海峡「1日120隻が5隻へ激減」の衝撃 ガソリン・物流・自動車輸出…日本経済への本当の影響

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今回の危機が長期化した場合、グローバルサプライチェーンへの影響は多方面に及びます。中東は年間1億5000万トン以上のドライバルク貨物(穀物、鉄鉱石、石炭、砂糖、セメントなど)を輸入しており、これらの貿易が滞ることで中東の建設・製造業にも影響が波及します。同時に、日本企業が中東向けに輸出するプラント設備・機械・自動車部品なども影響を受けることになります。

アルミニウムの輸入も中東に依存

輸入に関しても、UAEなどを中心とするアルミニウムの輸入が中東からの輸入全体の約6割を占めるほか、廃棄電子機器・電気部品くずの輸入が23年の8億円から25年には40億円へと急増しており、日本がリサイクル・有価金属回収の受け入れ先として機能し始めています。今回の危機は、こういった動きも抑制することになります。

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ホルムズ海峡の通峡が正常化するかどうかは、今後の軍事情勢の展開次第です。イランは過去にホルムズ海峡を完全封鎖したことはなく、封鎖すれば自国の石油輸出にも打撃となるため、完全かつ長期的な封鎖は経済合理性の点から難しいとの見方もあります。

ただ、地政学的な緊張が長引けば部分的な機能停止が続き、保険料上昇や船員不足などを通じて海上輸送コストが高止まりするシナリオは十分ありえます。

20年後半から22年にかけてのコロナ禍で多くの人がコンテナ不足や海上運賃急騰を実感したように、世界の海上物流に混乱が生じると、一定のタイムラグはあるものの、日本の生活物資の価格や供給に波及する可能性が高いです。

とはいえ、今なお流動的な情勢の中で、世界の海運や物流にかかわる人々や企業は安全確保を最優先にしながら、荷主から依頼された貨物を確実に届けるための奮闘を続けています。

確実性のない情報にあおられずに事態の行方を注視して消費者は生活を営んでいくこと、企業は在庫管理やサプライチェーンの検証を着実に行っていくことが、特定品目の異常な価格上昇や品不足を防ぐためにも、私たちにとって重要な視点だと考えます。

松田 琢磨 神奈川大学経済学部教授

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まつだ・たくま / Takuma Matsuda

筑波大学第三学群社会工学類卒業、東京工業大学大学院理工学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術)(東京工業大学)。(公財)日本海事センター主任研究員、拓殖大学商学部教授を経て、2025年4 月より現職。専門分野は海運経済学、物流(国際・国内)。コンテナ輸送市場と業界の動向に関して調査・研究を進めている。共著書として『新国際物流論 基礎からDXまで』(平田燕奈・渡部大輔との共著、晃洋書房)、『日の丸コンテナ会社ONEはなぜ成功したのか? 』(幡野武彦との共著、日経BP)がある。

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