「キムチ無料は意地やと思う」創業54年《中華チェーン》が白菜高騰でも食べ放題をやめない意外な訳

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味玉は中がとろとろで、半分に切って提供すると食べているうちに黄身がスープに流れ出てしまう。そこで床辺店長は、切り込みだけ入れて開かずに乗せるやり方を好んでいる。客が食べたいタイミングで割れるようにという配慮だ。一方で、切らずに入れる店もあるそう。味玉ひとつにも、店ごとのホスピタリティが表れている。

7坪半の小さなラーメン屋から始まった「あじへい」

あじへいの創業は昭和47年。三重県松阪市船江町の、わずか7坪半の小さなラーメンと餃子の店から始まった。子どもからお年寄りにまで愛されている理由の1つが、創業初期から続く小学生以下対象の会員制度「ちびっこクラブ」だ。入会金200円で誕生日特典やアニメのカレンダー、秋には芋掘り体験まで用意されている。「家族で来店してほしい」という創業者の思いから生まれた仕組みだ。

かつて会員だった子どもが親になり、今は自分の子どもを連れて訪れる。こうした世代をまたぐ循環が、客層に独特の厚みを生んできた。価格や味だけでは説明できない、「昔からある店」として生活に溶け込んでいること。それこそが、あじへいの強さなのだろう。

三重県の出張が決まったら、近くの店舗を検索してほしい。まずキムチの壺を受け取り、口を目覚めさせてから、ラーメンをすする。20分で、出張先の食事が旅の土産話になるはずだ。

あじへいの箸袋
昭和感漂うイラストと字体が、どこか懐かしい(写真:筆者撮影)
出張なのに、チェーン店ですか?
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みつはら まりこ フリーライター

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Mariko Mitsuhara

1986年香川県生まれ。大手コーヒーチェーン勤務、調剤薬局事務を経て2022年にフリーライターとして独立。インテリア・空間デザイン、社会福祉、地域で事業を展開する企業や人物へのインタビューを中心に執筆。
地方での働き方やキャリアの変化をテーマに、人物や事業の背景を掘り下げた取材記事を手がける。
X:@mi_ri_co

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