強硬姿勢に身内からも不安の声… 高市政権が迷い込みかねない「イラン問題」と「予算年度内成立」という2つの"袋小路"

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対する野党側は、野党筆頭理事で中道改革連合の長妻昭元厚生労働相は「集中審議は非常に重要で、これ(集中審議)を第1段階と捉え、国会議員としての職責を果たしていく。その後の予定については、来週13日の採決ありきという日程を完全に撤回しないかぎり、われわれとしては応じられない」と、徹底抗戦の構えであることを強調した。

これまでの衆院予算委を主な舞台とした与野党の攻防の経過を振り返ると、与党側は予算委基本的質疑(3日間)最終日の3日朝の同委理事会で、8日に地方公聴会、10日に採決の前提となる中央公聴会の開催を提案した。だが、野党側は「採決を前提とした日程には賛同できない」として協議は決裂した。

これを受けて、基本的質疑が終了した後の3日夕の理事会で自民党の坂本哲志予算委員長が公聴会の開催を議決することを職権で決定。再開された予算委において、8日の地方公聴会開催(鹿児島、岩手両県)と10日の中央公聴会開催を賛成多数で議決した。

木原稔官房長官は記者会見で「国会の運営は国会で決めるものと承知しているが、足元の中東情勢を受けて予算の予見可能性を一層高める必要がある。国民生活に支障が生じないよう野党にも協力をお願いしつつ、予算案と、今年度末までに成立が必要な法案を年度内に成立させていただけるよう、国会での審議に誠実に対応していきたい」と述べた。

強行突破の姿勢に疑問の声も噴出

こうした一連の高市政権の対応について、自民党は「表向きには異論は唱えず、年度内成立にも協力する構え」(同党長老)だ。ただ、同党の国会対策関係者の間では「数を頼んで押しまくれば、いずれしっぺ返しがくる」といった不安の声も少なくない。強引に予算の年度内成立にこぎつけても、その後の与野党対決法案の審議が円滑に進む保証はないからだ。 

今回の特別国会の当初会期は7月17日まで。高市首相にとって、予算成立後の3カ月余りの期間に憲法改正など「国論を二分する政治課題」の審議を促進するには、「野党の理解と協力が不可欠」となる。

だからこそ、自民党内にも「自ら公約した年度内成立にこだわって強行突破を繰り返すのは愚策。急がば回れという懐の深さが必要」(国対幹部)との厳しい声が出ている。

日米首脳会談
昨年11月の日米首脳階段は友好ムードを演出できたが、今回は極めて難しい階段となりそうだ(写真:ブルームバーグ)

官邸サイドが描くのは、13日に予算案が衆院を通過→18日に参院予算委で基本的質疑(3日間)が終了→18日夜に高市首相が訪米し、19日にドナルド・トランプ大統領と日米首脳会談を開催→23日から年度末までの9日間で審議を促進して予算年度内成立、という段取りだ。

とくに、19日の日米首脳会談は「高市首相にとっても、失敗が許されない」(外務省幹部)。それだけに、国賓待遇で訪米する高市首相自身はもとより、秘書官グループも「万全の準備で臨まねば」と緊張感を隠さない。トランプ大統領がイスラエルとの連携で断行したイラン攻撃に対して、G7各国の賛否も交錯しており、高市首相の対応も注目されているからだ。

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