そこで龍興に反省を促そうと、半兵衛は稲葉山城を襲撃。それでも、稲葉山城をいつまでも占拠するつもりは毛頭なく、半年ほどすると、城を龍興に返している。
そして、自身は謀反の責任をとるかたちで、栗原山にて22歳の若さで隠遁生活を送ることとなった。
尖った家臣たちの中で秀長が果たした役割
そんな半兵衛を表舞台に引っ張り出したのが、豊臣秀吉だ。スカウトするにあたっては、蜂須賀小六や前野長康、弟の秀長と慎重に話し合ったとされている。
実に7度も足を運んだのちに、ようやく力強い軍師を手に入れた秀吉。だが、優秀な人材ほど扱いを間違えれば、自身の足元を揺るがす火種にもなりかねない。かつて龍興に反省を促したように、秀吉もまた「リーダーとしてあるまじき男」と判断されたならば、半兵衛はすぐに行動に移すだろう。
それだけに秀長のようなナンバー2がいたことは、秀吉にとって大きな安心材料となったに違いない。
秀長は、エネルギッシュな兄と尖った家臣たちの間にたびたび入り、意思の疎通に齟齬が生じたり、あらぬ誤解を受けたりすることのないように、組織の「潤滑油」として秀吉をサポートし続けたのであった。
【参考文献】
湯淺元禎著『常山紀談』(お茶の水女子大学図書館所蔵)
池内昭一編『竹中半兵衛のすべて』(KADOKAWA)
加来耕三訳『武功夜話 秀吉編 現代語訳』(KADOKAWA)
藤本正行著、鈴木眞哉著『偽書「武功夜話」の研究』(歴史新書y)
杉山博編『多聞院日記索引』(角川書店)
竹内理三編『史料大成多聞院日記〈全5巻〉』(臨川書店)
太田牛一著、中川太古訳『現代語訳 信長公記』(新人物文庫)
河内将芳著『図説 豊臣秀長 秀吉政権を支えた天下の柱石』(戎光祥出版)
柴裕之編『豊臣秀長 シリーズ・織豊大名の研究』(戎光祥出版)
新人物往来社編『豊臣秀長のすべて』(新人物往来社)
真山知幸著『戦国最高のNo.2 豊臣秀長の人生と絆』(日本能率協会マネジメントセンター)
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