「年収100万円アップ!」に釣られて転職したものの、喜びもつかの間…"転職ブーム"で若手が直面する《想定外のワナ》

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「昇格で大きく給与が上がった社員が5~10人ほどいて、他の社員がわずかな賃上げでも、70人規模ならば前年度比平均4〜5%に見せられる。同世代で昇格した人と、していない人の給与差は主任でも月2万〜4万円になるケースが増えている。

このあたりは転職前に知っておくべき。20~30代の昇格の実態や昇格できなかったときの賃金、それぞれのステージでの年収のアウトラインを聞いたほうがいい。就業規則の固定残業代部分や超過残業実態の確認も、可能ならばしておきたい」(税理士)

「昇格昇給制度」は中小企業でも必要か?

「定昇やベアを続けられるならば、したほうがいい。昇格者のみの賃上げは、中小企業では好ましくないのではないか」

01年から17年まで地域密着型のスーパー「やまと」(山梨県韮崎市)の社長を務め、現在は中小小売店のコンサルティングをする小林久氏が話す。

同社では、20代後半から30代前半の社員で優れた人材を店長に昇格させるケースが多かった。店舗では店長の賃金が最も高いが、店長以上の賃金を支給した社員がいる。

その1人が、全店舗(最盛期16店舗、売り上げ64億円)で販売する大量の魚をさばき、加工していた40代の男性だ。

「極めて高いレベルの技術で、この社員しかできない。相場よりもはるかに高い賃金にしていた。辞めてほしくない人材だった。昇格者のみに賃上げすると定着率は上がらないし、売り上げや利益が増えない場合もある。転職が増えている今は調整が特に難しい」

転職ブームや賃上げ世論を受け、中小企業はその原資を必死に探す。そこで導入された制度で認められれば、賃金はさらに上がるのかもしれない。

一方で、認められないと「賃金格差」に直面し、だまされた思いをするかもしれない。さてあなたは、どちらになるか。

吉田 典史 ジャーナリスト

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よしだ のりふみ / Norihumi Yoshida

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006年より、フリー。主に企業などの人事や労務、労働問題を中心に取材、執筆。著書に『悶える職場』(光文社)、『封印された震災死』(世界文化社)、『震災死』(ダイヤモンド社)など多数。

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