「年収100万円アップ!」に釣られて転職したものの、喜びもつかの間…"転職ブーム"で若手が直面する《想定外のワナ》
それでも、多くは試みる。
日本商工会議所と東京商工会議所の25年の中小企業の賃上げに関する調査によると、3月と9月時点の月給を比較した正社員の賃上げ額は全体で1万3183円、賃上げ率は4.73%。20人以下の小規模企業でも賃上げ額は1万1089円、賃上げ率は4.02%だった。
賃上げが浸透しつつあると言えるが、「苦肉の賃上げ策」とも言える仕組みが浮き彫りになってくる。
昇格できない社員は、実質的な「賃金据え置き」?
その1つが、「昇格昇給制度」だ。2パターンのスタイルがあり、1つ目が定昇を廃止し、昇格した者のみ賃金を上げるもの。
冒頭の事例は、これに該当する。ただし、このスタイルは少数派だ。財務省の調査によると、24年度にベアまたは定昇を実施する割合は前年度から増加し、中小企業ではベアが63.1%、定昇が78.7%となった。
職能資格制度、役割等級制度ともに主任や係長、課長、部長、店長などに新たに就く場合、通常は昇格の扱いとなる。あるいは、制度の資格や等級が上がれば、役職に就かなかったとしても、昇格であり、通常は賃金が上がる。
しかし昇格できない社員は、実質的な「賃金据え置き」となる可能性がある。賞与で何らかの配慮をするのかもしれないが、不満が大きくなったり、モチベーションの低下や退職につながったりもする。
このスタイルは売り上げで言えば30億円以下で、社員全員で稼ぐ仕組みが十分には整っていない企業で見かける。採用力や定着、育成の仕組みに課題があり、優秀な人材はいるが、そうとは言いがたい人もいる。だからこそ、特定の社員を昇格させ、限られた資金を重点的に投下しようとする判断かもしれない。
「昇格者には報いる」という制度のワナ
続いて、もう1パターンの昇格昇給制度だが、最近はこちらのスタイルが増えている。
まず、これまでどおりに全社員対象の定昇やベアを行う。しかし、これでは賃上げが高いレベルにならない場合がある。
そこで定昇やベアを継続しつつ、昇格者には原資をより多く配分する。頑張った人にはきちんと報いようとする「傾斜配分」と言えるのかもしれない。




















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