「年収100万円アップ!」に釣られて転職したものの、喜びもつかの間…"転職ブーム"で若手が直面する《想定外のワナ》
不満は、このようなものだ。
「役職に就かないと賃上げにならないなんて面接時に聞いていない。30代前半で副課長になれたとしても、それまで賃金が据え置きになるかもしれない」
「賞与が年に2回(年間で4カ月分)支給される。頑張れば賞与額に反映されると知ったが、人事評価が低ければ反映されない。結局、おいしい思いは昇格者のみになる」
「残業代の上限を決めたら、それ以上はサービス残業になるのか? 会社からは、規程が明確(時間外対価明記、超過分支給など)なら問題なしと聞いたが、これでいいの?」
実は男性の父親は、筆者の学生時代の先輩である。父親はこう語っていた。
「年収100万アップの喜びは、息子にはつかの間だったようだ。固定残業代に食われ、定昇は消える。今後昇格できなければどうなるのか? われわれの20代の頃(1980~90年代)とは違いすぎる」
賃金が増えたように見えるが、実はそうではない
転職ブームに伴い、転職後に「給与が上がった」と喜ぶ人が目立つ。「リクルートエージェント」の調査では、中小企業への転職で1割以上賃金が増えた割合の推移は19年度の30.1%から、23年度には35.4%まで上昇した。
一方で不満を抱える人もいる。この時期に人事評価や賃金制度を変更する企業も少なくない。特に中小企業(中小ベンチャーを含む)でその動きを見る。
背景には賃上げがある。厚生労働省の25年の賃上げの調査では、基本給を底上げするベアと定昇を合わせた労働者1人当たりの平均賃上げ率は4.4%。比較可能な99年以降で最高だった。
だが、この1年ほどで筆者が取材してきた中小企業経営者や人事コンサルタント、税理士の大半はこう語る。
「政府や経済界が求める前年度比4~6%増の賃上げを毎年継続するのは中小企業、特に地方やメーカーなど古い企業では非常に厳しい」




















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