「駅前が廃墟化してる?」「人も歩いてない?」と思いきや…千葉にある「百貨店全滅タウン」が今も賑わう理由

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続いて一駅隣の本八幡駅前を歩いた。市川京成百貨店の跡地は京成電鉄本社へと転用され、駅前商業の中心は「パティオ本八幡」と「MEGAドン・キホーテ本八幡店」に置き換わっている。

パティオ本八幡の入口。独特な雰囲気がある(写真:筆者撮影)
本八幡駅の駅南にある西友(写真:筆者撮影)
本八幡駅の駅南にあるメガドンキ。駅前だけで生活が完結する利便性が際立つ(写真:筆者撮影)

いずれも日用品や食品を主軸とする実用的な構成で、駅前だけで生活が完結する利便性が際立つ。曜日や時間帯による差はあるにせよ、駅前は滞在型というより、生活動線上の“回収拠点”として機能している印象を受けた。

では、人のにぎわいはどこへ行ったのか。駅から15分ほど歩いた場所にある「ニッケコルトンプラザ」に足を運ぶと、空気は大きく異なっていた。

ニッケコルトンプラザ入り口正面。駅から徒歩15分程度の場所だが、人で賑わっている(写真:筆者撮影)

平日昼間にもかかわらず、カフェチェーン店はほぼ満席で、談笑する人、仕事や勉強をする人など、利用の仕方もさまざまだ。館内には主婦層や現役世代の姿が多く見られ、広大な敷地の中で「時間を過ごす場所」として機能している印象を受けた。

垂直から水平へ移動した街の重心

88年、工場跡地に誕生したニッケコルトンプラザは、駅前の百貨店とは異なる空間構造を提示した施設だった。

駅前のダイエーが限られた敷地を多層階で補う「垂直型」の商業施設であるのに対し、ニッケは広大な敷地を活かした「水平型」の施設である。館内を平面的に移動できる構造に加え、大規模な駐車場を備えたことで、車での来訪を前提とした消費行動にも対応した。

ここでは買い物は単なる日用品の調達にとどまらない。映画館や飲食店、イベントスペースなどを備え、滞在そのものが目的となる空間として設計されている。駅前が帰宅動線上の「回収拠点」へと特化していく一方で、ニッケは時間消費型の商業を担う場所となった。

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