「竹は厄介者」から「食べられる資源」へ ——国産メンマの逆転戦略。《地元産・クラフトメンマで料理の主役に?》放置竹林問題に一手

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「放置竹林という課題を食べて解決という心意気に感銘を受けて作り始めました。最初は台湾同様に蒸し煮して発酵、乾燥させるという工程にこだわったのですが、日本でそのやり方で作ると輸入品の5~6倍の価格になってしまう。

この活動はまず知っていただくことが大事なのに、手の出ない価格になっては意味がない。プロとしてのこだわりを捨てるまでに時間がかかりましたが、それを越え、22年からは製品化、販売しています」

丸松物産の松村さん
丸松物産の松村さん。台湾のメンマは茹でてから発酵させることで独特の風味を持つようになる(写真:筆者撮影)

それでも価格は輸入品の3倍ほど。利益を生んでいるわけではない。だが、各地域、個人で作るのもいいが、より幅広い人たちに国産メンマの存在を知ってもらいたい。それが同社が国産メンマを作り続けている理由だ。

丸松物産の国産メンマの袋の裏側
丸松物産の国産メンマの袋の裏側には国産メンマプロジェクトの説明が書かれている(写真:筆者撮影)

「加えて乳酸発酵しているメンマと違い、国産メンマは独特の香りがなく、タケノコに近いしゃきしゃきした食感があって食べやすく、他の料理にも展開しやすい。食育の一環として小学校などに呼ばれることもあり、背景も含めて選んでいただければと考えています」(松村さん)

メンマが脚光を浴びる未来へ

ところで日本の年間メンマ消費量は4万~5万トンというが、1杯のラーメンに載っているのは3~4本、10グラムくらい。となると日本人はどれだけラーメンを食べているのだろう。

秩父市・パリ―食堂のラーメン
昭和2年創業の秩父市・パリー食堂のラーメン。同店の開業時にはメンマではなく、シナチクと呼ばれていたはずだ(写真:筆者撮影)

しかも丸松物産ではナショナルブランドで50種類、プライベートブランドで150種類、合計約200種類(!)ものメンマを製造している。

わざわざ自店のラーメンのためにメンマを作ってもらっているわけだから、どの店もメンマにこだわりがあると思われるが、その割にはラーメンの評でメンマが取り上げられていることは少ない。

だが、今後、あちこちの地域産のメンマが台頭。ラーメン店店頭で「今日のメンマは横浜産です」などと書かれるようになったらメンマの消費量も増えそうな気がするが、どうだろう。メンマで選ぶ、メンマが選べる本日の一杯なんて面白そうではないか。


参考資料 林野庁「竹の利活用推進に向けて 」(平成30年)https://www.rinya.maff.go.jp/j/tokuyou/take-riyou/attach/pdf/index-3.pdf

中川 寛子 東京情報堂代表

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なかがわ ひろこ / Hiroko Nakagawa

住まいと街の解説者。(株)東京情報堂代表取締役。オールアバウト「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。30年以上不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービスその他街の住み心地をテーマにした取材、原稿が多い。主な著書に『「この街」に住んではいけない!』(マガジンハウス)、『解決!空き家問題』(ちくま新書)など。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会各会員。

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