「嫌な上司の顔を見なくて済む」→《リモートワーク》を喜んでいた30代男性だったが、徐々にメンタルを崩し…。「在宅勤務」「出社」、それぞれの功罪

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リモートワークでは、会話の多くがチャットやオンライン会議に置き換わります。必要な情報は伝わるものの、職場で自然に生まれていた雑談や偶発的な相談が消えたのです。これらの非公式なコミュニケーションは、実はチームの心理的安全性を支える重要な要素でもありました。

同じ空間に入れば、近くで話している人たちから情報を得られるだけでなく、些細な空気感を共有することもできていましたが、それが叶わなくなり、誤解や不安が生まれやすくなりました。

また、オンライン会議は効率的に見える一方で、画面越しのやり取りは集中力を奪い、終わった後に強い疲労感を覚えるといった訴えも多くありました。

実際、公認心理師である筆者が担当したケースでも、完全リモートの所属企業から、出社前提の企業に転職する方も多く見られました。

総務省「令和6年通信利用動向調査」
テレワークを導入している企業の割合の推移。ここ4年は減少傾向にある(画像:総務省「令和6年通信利用動向調査」)

出社に回帰も、デメリットが散見される

こうした背景や根強い対面至上主義から、コロナ収束後に「原則出社」「出社義務化」へと舵を切る企業が増えてきました。

若手社員にとっては、職場での学びやロールモデルの観察がしやすくなるという利点は大きいです。また、対面のほうがOJTの質が高いという声も伴い、企業文化の継承という観点からも出社の価値は無視できません。

これで万事解決かと思いきや、実際にはひずみも生じています。リモートと出社が中途半端に混在しているために、上司とスケジュールが合わない、質問したい相手が誰も来ていない、フリーアドレスになり社内でも顔を合わせないということが頻繁に起こっていたのです。

そして、一番のデメリットは、リモートワークで得られた柔軟性が失われることでした。それによって、従業員の満足度が低下する状況が出てきました。

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