「嫌な上司の顔を見なくて済む」→《リモートワーク》を喜んでいた30代男性だったが、徐々にメンタルを崩し…。「在宅勤務」「出社」、それぞれの功罪

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特に育児や介護、自分自身の病気を抱える社員にとって、通勤時間の復活は心身の負担を増やし、生産性の低下につながってしまう恐れも十分に考えられます。

さらに、リモートワークを前提に採用した人材にとっては、出社義務が新たな制約となり、離職につながるリスクもあります。

ハイブリッド型の柔軟な運用が求められる

重要なのは、リモートワークか出社かという二項対立ではなく、働き方の「質」をどう高めるかという視点です。

リモートワークがうまく機能しない背景には、コミュニケーションの不足や、取り組み方が曖昧だったことがあります。しかし、だからといって、出社に戻したらすべての問題が解決するわけでもありません。むしろ、出社を強制することで、従業員の自主性や信頼関係が損なわれる可能性もでてきました。

これからの働き方に求められるのは、ハイブリッド型の柔軟な運用です。例えば、チームで集まる日を明確にしたり、対面での議論や創造的な作業をしたりする一方、集中作業や個人の裁量が大きい業務は在宅で行うといった設計も1つの策でしょう。

また、リモート環境においても、孤立を防ぐために定期的な「形式的でない1on1」や「雑談」の時間を意図的に設けることも有用です。さらに、成果を明確に評価する仕組みを整えることで、働く場所に依存しない公平な人事評価が可能になるでしょう。

リモートワークと出社のどちらにもメリットとデメリットがあります。重要なのは、企業が一方的に方針を決めるのではなく、従業員の声を丁寧に拾い上げ、組織の文化や業務特性に合った最適解を模索する姿勢です。

働き方の多様性が求められる時代において、柔軟性こそが企業の競争力を左右します。原則出社への回帰は1つの選択肢ではありますが、それが唯一の正解ではありません。変化の時代だからこそ、働く人々の心身の健康と生産性を両立させるための、より創造的な働き方のデザインが求められています。

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大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

公認心理師、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。内閣府などの官公庁をはじめ、大手企業等で6万人以上に講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス・ハラスメント対策」を提供している。一般向けにメンタルアップマネージャ®資格講座を実施。著書に51万部を突破した『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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