今や割高、欧州の鉄道乗り放題「ユーレイルパス」 かつては日本人旅行者の必須ツールだったが…

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列車の内容もかなり変わった。長距離列車や国際列車は減少、対航空機を意識した高速列車が増え、機関車牽引の列車は減少、電車が多くなった。動力集中式にしても両端が動力車の固定編成、また、機関車牽引ながら、片道は機関車が推す列車も多くなった。全般的には、機関車が窓の開く客車を引いて長距離を走るような列車や、夜行列車は、東欧と呼ばれた地域などに残る程度で、西ヨーロッパからは姿を消しつつある。

コンパートメント座席は減り、日本同様の座席車が一般的となったが、日本と違って座席は回転せず、さらに窓と座席の位置にこだわっているのは車窓が自慢のスイスくらいとなってしまった。

かつてはヨーロッパを代表する列車に、TEE(Trans Europe Express)という1等車だけで編成された昼間の優等列車があったが、ユーレイルパスでは、そんな列車すら乗り放題だった。1等車乗り放題をいいことに、適当な宿が見つからなかった場合は、夜行列車に連結されている乗り心地のいいコンパートメント座席の1等車を宿代わりにしていたが、その頃が懐かしく思える。

コンパートメント座席はベッドのようにすることができた(1985年 筆者撮影)

鉄道パスのメリットは、その都度切符を購入する必要がないというフットワークのよさだ。窓口は混雑していることが多かったので、運賃の損得よりも、窓口に並ぶ必要がない。「来た列車にとりあえず乗る」というのも可能だった。しかし、高速列車などが多くなった結果、全席指定の列車が多くなり、各国で上下分離が進んだ結果、パスでは乗車できない列車も多くなる。

切符購入も窓口主体からネット主体となり、ユーレイルパスもスマホの画面となった。現在は紙の切符を希望すると追加料金が必要である。かつては車内検札時、日付の確認が主だったが、現在はQRコードに取って代わった。

便利にはなったが、次第にヨーロッパでも鉄道旅情のようなものが希薄になっていく。

格安なLCCで空を飛ぶのが主流に

かつてはヨーロッパの格安宿などには多くの日本人旅行者も滞在し、ユーレイルパスで旅をしている人も多かった。しかし、近年は鉄道パス利用者が少なくなったと感じる。

現在は鉄道パス利用が格安な旅とはいえず、主要都市間の移動ならLCCで空を飛ぶかヨーロッパ中を席巻する格安バスのほうがずっと移動費の節約になる。

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