今や割高、欧州の鉄道乗り放題「ユーレイルパス」 かつては日本人旅行者の必須ツールだったが…
価格は米ドル建てで為替相場に応じて3カ月ごとに日本円での販売価格が決められていた。日本での販売はトラベルプラザインターナショナル(JTB系列)や欧州エキスプレスなどが行っていた。筆者は旅行会社勤務経験があり、夏の旅行シーズンになるとヨーロッパ往復航空券とユーレイルパスを買い求める需要が高く、これら事業者に頻繁に発券依頼したのである。
1988年にはユーレイルパス連続7日間1等車用を2万8700円で購入した。本来は最短が15日間用だったが、団体用として7日間用が発売され、利用方法が若干異なるだけで個人利用も可能だった。この種のパスは現地到着後、駅の窓口で「明日から使います」などと告げて日付を入れてもらうのだが、7日間用は発券時に日付を決める必要があった。7日間用は長期休暇の取りづらい日本人旅行者向けだったような記憶もあり、リーズナブルな料金で鉄道旅が楽しめた。
以降は円高のため料金が下がり、筆者が利用した範囲では1992年が最も安く、15日間1等車用を5万950円で購入している。10年後の2002年には7万5000円と、1985年当時より高くなった。
パスの種類は多様に
東西冷戦終結は1991年、東欧も徐々にユーレイルパスの範囲に含まれるようになり、現在では33カ国の鉄道が利用でき、トルコまで含まれるようになった。東欧でいち早くユーレイルパスの範囲に仲間入りしたのはハンガリーだった。
現在15日間1等車用を購入するとその価格は720米ドル(11万~12万円)となる。円安によってヨーロッパ鉄道旅行は贅沢な旅となってしまった。ただし、日数はかつて最短15日間だったが現在は4日間からとなった。
1990年代からは人気のタイプが変わり、連続タイプより、2カ月の有効期間中、任意の10日などという「フレキシータイプ」が多くなる。移動する日と滞在する日のメリハリが付けやすくなったが、料金が割高となった。
また、旅行のスタイルも一度の旅行でローマ、パリ、ロンドンなど各国の主要都市をつまみ食いするようなプランから、1〜2カ国をじっくり周遊するようなプランが主流となり、国別や地域別(ベネルクスなど)のパスが人気となっている。現在では国別で、さらにフレキシータイプのパス利用者が多くなり、従来のヨーロッパ全土で利用できるタイプはユーレイル グローバルパスと呼ばれるようになった。




















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