「工場の人は本社の方針に従えばいい」 工場勤務を見下した「本社勤務の2年目社員」の顛末
この女性社員が気づいていないのは、ホワイトカラーという存在そのものが危機に瀕しているという事実である。
経済産業省の調査によると、2030年までに事務系職種の約40%がAIやロボットに代替される可能性があるという。つまり、単純な事務作業を担当するホワイトカラーは消滅に向かっているのだ。
冨山和彦氏の『ホワイトカラー消滅』が話題のベストセラーになったのは、もう1年以上前の話である。
実際、レバレジーズの調査では、ホワイトカラーからブルーカラーへ転職した人の約6割が、ホワイトカラー職の将来性に不安を感じていたと回答している。不安の要因として最も多いのは、
「将来的に市場での需要が減り、転職先が見つからなくなること(39.4%)」
だった。「自分の持っているスキル・知識がAIに代替されること(25.8%)」も上位に挙がっている。
ホワイトカラーであり続けることに危機感を募らせる若者が増えている。そしてその危機感は、行動につながっている。
「ホワイトtoブルー」という新しい流れ
アメリカでは今、AIに仕事を奪われない現場職で富を築く「ブルーカラービリオネア」が注目されている。工場労働、配管工、電気工事士といった職種だ。
日本でもこの波は押し寄せている。タクシー運転手の給与が4割増えるなど、現場職の待遇改善が進んでいる。レバレジーズの調査によれば、ブルーカラーへ転職した人の約4人に1人が年収アップを実現した。20~30代に限れば、約4割が収入アップしたという。
ブルーカラーに転職して満足している理由も興味深い。「ワークライフバランスを取りやすいから(38.5%)」「精神的なストレスが少ないから(38.2%)」「仕事の成果が目に見えやすいから(29.7%)」が上位に並ぶ。デジタル疲れやAIへの代替不安に怯えるホワイトカラーにとって、現場の実感――“手触り感”は魅力的な報酬なのだ。




















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