「工場の人は本社の方針に従えばいい」 工場勤務を見下した「本社勤務の2年目社員」の顛末

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冒頭の女性社員に話を戻そう。彼女は本社勤務だから安泰だと思っているのかもしれない。しかし、それは大きな勘違いだ。

AIの進化は、まさに本社のホワイトカラー業務を直撃している。IBMやMetaなどのテック企業が次々と人員削減に踏み切っている。しかも新たな採用を凍結する企業も増えている。企業は「単なる作業員」を減らし、「AIを使いこなせる熟練人材」にコストを集中させはじめている。

特に新卒やエントリーレベルの業務(エントリージョブ)は、AIエージェントの得意領域だ。定型的な資料作成、データ整理、スケジュール調整。これらは24時間365日、文句も言わずに高速でタスクを処理するAIに置き換わりつつある。

入社2年目の本社勤務。最もAIに代替されやすいポジションと言えよう。にもかかわらず、10年以上の経験を持つ現場のエンジニアを見下すなんて。この構図の滑稽さに、本人だけが気づいていないのだ。

SaaS業界の衝撃が示す未来

AIが奪うのは人間の仕事だけではない。企業や業界そのものが置換される可能性が出ている。

25年2月、クラウド経由で業務ソフトを提供するSaaS業界に衝撃が走った。マイクロソフト、セールスフォース、アドビといった企業の株価が米国市場で軒並み急落。一日で約43兆円が消失したと言われる。アメリカのAI企業アンソロピックが公開した最新機能により、SaaSを不要にする懸念が広がったためだ。

日本市場でもSansan、フリー、ラクスが10%超の下落となった。「アンソロピック・ショック」と呼ばれ始めたこの現象は、ホワイトカラーの仕事を支えてきたツールそのものが消滅する可能性を示唆した。

あれほど勢いのあったSaaS企業でさえ、世界中で株価を急落させているのだ。本社でパソコンに向かい、SaaSツールを使って仕事をしている人たち。その仕事の基盤そのものが揺らいでいることに気づいてほしい。

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