「ものを覚えること」は一生の趣味になる―メモリースポーツ大会の参加者たちに見る記憶と暗記のお国柄

✎ 1〜 ✎ 75 ✎ 76 ✎ 77 ✎ 78
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

青木:そのとおりです。とても楽しいし、競技へのモチベーションにもなります。

窪田:ヨーロッパの方が長年続けたくなる気持ちもわかりますね。青木さんは子ども向けのゲームなども手がけていますが、やはり記憶力は子ども時代に鍛えたほうがいいのですか。

『あたまがよくなる! 天才きおくカードゲーム』
『あたまがよくなる! 天才きおくカードゲーム』(幻冬舎)。画像をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

青木:僕の前職が絵本の出版社であったことや、大学院で所属していた研究室が子どもの研究に注力していたことから、子どもの記憶に関する知見もあったので、それを生かしてゲームを作ってみようと考えたのです。ただ、僕自身の研究は大人の学習がメインでしたし、記憶力について言えば、未就学児からシニアまでいろいろなターゲットがいます。何がなんでも小さいときに記憶力を高めなければいけないとは考えていません。何か覚えるって楽しいよね、と思ってほしいし、そう思えたときがいつでもタイミングだと思っています。

「覚えることが好きになって自信がついた」

窪田:記憶力を意識するようになって、ご自身の人生も大きく変わったと思います。とくに良かったと思うことは何ですか。

青木:もちろん競技で自分が勝てたことも非常にうれしいですが、それよりも、ほかの誰かの役に立てたことがうれしいです。例えば僕の運営するメモアカclassの子で、中学受験をして最難関校に受かった女の子がいます。彼女は「このスクールに出合って、覚えることがすごく好きになって自信がつきました。合格できたのはその結果だと思います。ありがとうございます」と言ってくれました。これは本当にうれしかったですね。今はもう高校生になっているのですが、スクールにもインターンとして来続けていて、将来はうちで働きたいとまで言ってくれています。

窪田:すごいですね。彼女は競技にも挑戦されているのですか?

青木:もちろんです。日本国内のチャンピオンにもなっているし、アジア大会でもトップ5に入っています。やっぱり本人が好きだからこそ、どんどん強くなっていったのだと思います。

窪田:その女の子が、記憶のトレーニングで人生が変わったという思いを強く感じていることが伝わってきます。青木さんとメモリースポーツの出合いも価値あるものだったと思いますが、それもまた素晴らしい出合いでしたね。

(構成:鈴木絢子)

青木 健 メモアカ代表取締役CEO/日本メモリースポーツ協会会長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

あおき たける / Takeru Aoki

東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了。記憶力日本チャンピオン、世界記憶力グランドマスター。東京大学大学院では英単語を効率的に記憶する方法に関する研究を行っていた。福音館書店を経て、現在は「メモアカClass」など、記憶に関するさまざまなサービスを提供する東大関連スタートアップ企業を経営する。著書に『東大式 記憶力超大全』、『記憶力日本チャンピオンの 超効率 すごい記憶術』(総合法令出版)などがある。幼児向け知育ゲーム『あたまがよくなる!天才きおくカードゲーム』(幻冬舎)の開発も行っている。

この著者の記事一覧はこちら
窪田 良 医師、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くぼた りょう / Ryo Kubota

慶應義塾大学医学部卒業。慶應大医学部客員教授、米NASA HRP研究代表者、米シンクタンクNBR理事などを歴任。虎の門病院勤務を経て米ワシントン大学助教授。2002年創薬ベンチャー・アキュセラを創業。2016年窪田製薬ホールディングスを設立し、本社を日本に移転。アキュセラを完全子会社とし、東証マザーズに再上場。「エミクススタト塩酸塩」においてスターガルト病および糖尿病網膜症への適応を目指し、米FDAからの研究費を獲得し研究開発を進めているほか、在宅医療モニタリングデバイスや、ウェアラブル近視デバイスの研究開発を行っている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事