窪田:デジタル媒体とアナログ媒体を比べたとき、どちらが覚えやすいということはありますか?
青木:僕個人の使い分けですが、情報系の内容に関しては、電子書籍やウェブ版の新聞を活用しています。一方で、これは知識として蓄えておきたいとか、頭に留めておいたほうがいいと思うものについては、やっぱり紙の本を選ぶことが多いです。これについてはいろいろな実験も行われていますし、まだ断定できることではないかもしれません。ただ、北欧などの教育先進国では、電子よりも紙のほうが記憶に残りやすいんじゃないかと言われていますよね。
記憶が定着しやすくなる「フック」になる
窪田:確かに、多くの研究で、今は紙のほうがいいという結果が出ています。タブレットに比べると紙の本はテクスチャーがあったり、配置が違ったりしますね。そうした複雑な要素が、記憶が定着しやすくなるフックになるとされているのです。
私自身もすごくそれを実感していますし、やはりシンガポールなどの先進国では、タブレットをやめて紙の教科書に回帰する学校も増えています。画面だと連続的にスクロールできてどんどん読み進められるというメリットがありますし、紙は紙で、重量などのデメリットもあります。それらの点も考慮しつつ、使い分けることが重要なのでしょう。
青木:タイピングか手書きかということも比較されますが、これはやはり手で書くほうが記憶に残りやすいと思います。英単語を綴るときも、ただキーボードを押したり画面をタップしたりするよりも、アルファベットを1字ずつ意識しながら書いたほうが、たくさんの感覚が働きますよね。
「あの例文の中で使った単語だな」とか「別の単語のスペルと似ているな」なんて考えたりしながら手書きすれば、いろいろなものと結びついて想起されやすくなりますから。これは僕自身の体感もありますし、やはり最新の研究でも立証されてきていることですね。



















