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国としてバイオマス発電を推進してきた韓国が政策見直し。環境NGO専門家が語る政策転換の背景と今後の道筋

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──ほかに理由はありますか。

第2に、韓国では自国のバイオマス資源が限られているにもかかわらず、非常に大規模なバイオマス発電の容量を有している。これを維持するために輸入燃料に依存する構造ができあがっている。

韓国では発電所で年間700万トンもの木材を燃焼させており、その大部分が輸入によるものだ。バイオマス発電には累計で5兆ウォン(約5500億円)以上の政府資金が投入されている。そうした構図の中で、残存する天然林と、急速に拡大するエネルギー用プランテーションの認可区域を有するインドネシアが主要な供給源になりつつある。

第3に国際的な炭素会計の枠組みが問題を引き起こしている。つまり韓国で発電用に輸入木材を燃焼させても、二酸化炭素(CO₂)排出量は韓国のエネルギー部門には計上されない。現行の炭素会計のルールでは、排出量の二重計上を防ぐため、伐採が行われた国の土地利用部門で排出量が計上される仕組みとなっている。

(輸入木質ペレットを使用したバイオマス発電は)実際には石炭よりも単位エネルギー当たりのCO₂排出量が多い。にもかかわらず、このような仕組みによってバイオマス発電を「カーボンニュートラル」として標榜できる。

木質ペレット生産のために広範囲にわたって伐採されたインドネシア・スラウェシ島ゴロンタロ州の熱帯林(写真:SFOC)

このように、補助金システム、輸入への構造的な依存、炭素会計の抜け穴の存在が相まって、インドネシア・ゴロンタロ州のような遠く離れた地域から木質ペレットが韓国に流入している。

韓国の政策転換がもたらすインパクトとは

──韓国政府は、24年に輸入燃料を用いたバイオマス発電への補助金を廃止すると発表しました。どのような決定がなされたのでしょうか。

次ページいずれ、輸入バイオマス発電の採算は合わなくなる
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