無痛MRIやエコーの有用性は?【乳がん検診】専門家が語る"真実"――マンモグラフィのエビデンスと後悔しない検診の受け方を徹底解説

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何より、J-STARTはマンモグラフィとエコー検査を併用した試験のため、たとえ死亡率減少効果が明らかになったとしても、前述の視触診と同様、「エコー検査だけで有効とはいえない」と付け加える。

話をマンモグラフィに戻そう。

がん検診で有効かどうかを判断する指標のもう1つが、「がんを正しく見つけられ、がんでない人を除外できるか」だ。これを専門的には「感度」と「特異度」という。

感度とは、“実際にがんがある人をどれだけ正しく陽性と判定できるか”を示す指標。がんがある人10人のうち、9人を正しく陽性と判定できれば、「感度90%」となる。

ただ、感度ばかりが高いと、“がんでない人も陽性と判定してしまうこと“もある。そのため、特異度という“がんでない人をどれだけ正確に陰性と判定できるか”という指標を組み合わせる。

これにより、健康な人を「がんの疑いあり」と間違うケースが減り、検診を受けた人が不安を抱えずにすむ。

この点、マンモグラフィは感度と特異度が8割程度と、ほかの検診手法に比べて優秀であり、これが厚労省のガイドラインで乳がん検診の手法として推奨される背景になっている。

ちなみに、マンモグラフィの画像を読む(読影)には、専門的な知識や技量が必要だ。マンモグラフィ読影医はNPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構が認定しており、医師免許を持っているだけではなく、講習後に実施される試験に合格することが求められている。

胸を押し潰して撮影する理由

乳がん検診に有用なマンモグラフィだが、乳房をプラスチックの板で挟み、圧迫してエックス線で撮影しなければならない。個人差はあるが、この板で挟むときに痛みを感じるため、「受けたくない」と思っている女性も多いだろう。

だが、これらの行為にはすべて理由があるので、知っておいてほしい。

細野氏は、「乳房を薄くすることで乳腺の重なりを減らして、病変を見つけやすくしている。また、エックス線による被曝についても、薄くすれば線量が減り、被曝を低減することができる」と説明する。

そんななか登場したのが、「無痛MRI」による乳がん検診だ。胸を潰すことなく撮影できるため、導入している医療機関や検診施設が少しずつ増えている。

等潤病院(東京足立区)は、2025年6月から無痛MRIによる乳がん検診をスタートさせた。同院診療放射線技師の畔上千恵氏は、「当院では、マンモグラフィが痛いということで、無痛MRIを受ける人が増えている。自治体の(マンモグラフィ)検診を受けていても、安心のためにプラスαで検査してほしいという人もいる」と説明する。

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