UK Age trialのような研究は複数あり、総合すると「40~74歳の女性に対するマンモグラフィ検診は、乳がんの死亡率を下げる効果がある」という結論に至っている。
細野氏は、「これらの研究のエビデンスが、厚労省のガイドラインでマンモグラフィを推奨する背景となっている。また、2021年の乳がん年齢別の罹患率を見ると、40歳を前に急速に増加している。このことから、検診開始のタイミングが40歳というのも理にかなっている」と話す。

エコー検査が採用されない理由
ちなみに、かつては視診や触診も乳がん検診に含まれていた。
外された理由は「マンモグラフィに視触診を追加することによる効果が不明であること」や、「検診にかかる検査時間や手間が大きいこと」などが挙げられる。
前者の理由に関しては、マンモグラフィと併用した研究はあったものの、単独での研究はなかったので、有効性がはっきりしなかった(なお、自身が月に1回、自身の乳房の状態を確認するセルフチェック=ブレスト・アウェアネスについては、エビデンスはないものの、ガイドラインでも重要性が示されている)。
もう1つ、乳がん検診の手法には、乳房に超音波を当てて、内部のしこりや病変の有無などを調べるエコー検査(超音波検査)もある。乳腺症などの病気を見つける際の検査として、実際に行われているものだ。
このエコー検査については、これまでガイドランで一度検討されたが、エビデンスがまだ足りないとして見送られている。
マンモグラフィにエコー検査を併用した比較試験(J-START)は、現在も進行中だ。最近も、前述の医学雑誌『Lancet』で、マンモグラフィ単独法に比べてエコー検査を併用することで、進行した乳がんの発症リスクが下がったとの発表があったばかりだ。
細野氏は、「J-STARTでは、エコー検査の併用によって、マンモグラフィ単独法よりがん検出数と感度がそれぞれ上昇するという論文が出ている。ただし、乳がんは経過の長い疾患なので、死亡率減少効果はまだ明確にはなっていない」 と言う。




















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