東洋経済オンラインとは
ライフ #江戸のプロデューサー蔦屋重三郎と町人文化の担い手たち

腐臭がする魚を食べさせ…。大河【べらぼう】女中が「もう無理!」と続々逃亡する曲亭馬琴の偏屈さ

8分で読める
  • 真山 知幸 伝記作家、偉人研究家、芸術修士(MFA)

INDEX

(写真:Komaer / PIXTA)
NHK大河ドラマ「べらぼう」では、江戸のメディア王・蔦屋重三郎(つたや・じゅうざぶろう)を中心にして江戸時代中期に活躍した人物や、蔦重が手がけた出版物にスポットライトがあたっている。連載「江戸のプロデューサー蔦屋重三郎と町人文化の担い手たち」の第45回は、人間関係で何かとトラブルを起こしながらも、精力的に執筆を続けた曲亭馬琴の生き様について解説する。
著者フォローをすると、連載の新しい記事が公開されたときにお知らせメールが届きます。

奉公人が定着せずに愚痴をこぼす馬琴

「最近は奉公人がとにかく我がままになったものだ」

(近来、奉公人とかく我まゝに成行き)

曲亭馬琴は、あまりに奉公人が辞めてしまうので、そんなふうに嘆いている。

そういう自分も14歳の時には、主君の孫に小姓として仕えるも出奔しているわけだが、確かに馬琴のもとで働く奉公人は入れ替わりが激しかった。長続きした奉公人でも2週間程度で、短い者はわずか4日で辞めてしまった。いずれも、風呂や遣いに行ったまま帰ってこなかったという。

そんなふうに職場放棄されれば、馬琴が愚痴をこぼすのも無理はないように思うが、どうも馬琴のほうに問題が大きかったようだ。

奉公人を雇い入れるときは「口入屋(くちいれや)」と呼ばれる仲介業者が間に入ったが、馬琴は口入屋が連れてきた4人のうち3人を何の話し合いもせずに、引き取らせている。その理由について、二人は「身元引受人の住居が近すぎる」というもので、もう一人は「大女すぎる」というものだったというから、こだわりポイントがよくわからない。

次ページが続きます:
【基準をクリアした下女すら大切にはしなかった】

2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象