日経平均は「アメリカ・イラン戦争ショック」となるのか?23日以降の日本株にまったく弱気になる必要がない理由
ところが19日(木)は、寄り値はこの日の高値3万8870円、引け値は3万8488円の最安値で「陰線」丸坊主と、前日の「陽線」丸坊主とは対照的で、かつめったに出ない形となり、市場には不安感が生じた。
しかし、寄り付きが前日の引け値を下回るいっぽうで引け値は前日の寄り付きを上回って、「陽線」丸坊主の中にすっぽり陰線が納まっている。これは「はらみ線」と言い、勢いが収まり様子見の形だが、必ずしも「反転下落」のシグナルではなく、上昇途中に出るケースが多い。
続く20日(金)も、日経平均は小幅続落となり、若干物足りなかったものの、上値追いのムードは続いていた。
外国人投資家はまったく迷っていない
日経平均のテクニカル面での見方を追加すると、2月27日から下向きだった75日移動平均線は上向きに転じており、今週早々にも25日移動平均線が200日移動平均線を抜くゴールデンクロスとなる。
需給関係を見ても、活発な自己株買い(1~5月で約12兆円)で市場から株式が吸い上げられ、マネーストックM3(市中に出回っているお金の量)も史上最高水準の1600兆円台が続いている。経済の基本だが、モノの値段はお金の量とのバランスで決まる。
もちろん、このようにいくらテクニカル面でプラスの話をしても、地政学的リスクが急速に高まっている中では、株価(チャート)を信じていいのか、迷っている投資家も多いことだろう。
だが、今まったく迷っていない投資家がいる。外国人投資家だ。欧州の主要市場である、ドイツ株やイギリスの株はすでに買ってしまった。後は日本だ。「11週連続買い越しで日本買いのピークは過ぎた」と見る向きもあるが、筆者は、割安な日本株に対する外国人投資家の買いはこれからが本番だと思っている。
報道によると、18日までの1週間のうちに、アメリカ国内の株式ファンドは184億ドルの売り越しで、週間での純流出額は約3カ月ぶりの大きさとなった。アメリカから日本への資金移動の一端が見える。これまでアメリカの株式が大きく下がっていなかったのは、資金が多少流出しても、同国の金(カネ)余りが変わらないからだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら