
中国の主要自動車メーカーが、部品メーカーに対する代金支払い期間の短縮を一斉に宣言したことが注目を集めている。
国有大手の第一汽車集団、東風汽車集団、広州汽車集団、長安汽車、民営大手の吉利汽車(ジーリー)などは6月10日、支払い期間を「60日以内にする」と発表。翌11日にはEV(電気自動車)大手の比亜迪(BYD)、国有大手の上海汽車集団、北京汽車集団、国有中堅の奇瑞汽車(チェリー)、民営中堅の長城汽車(グレートウォール)などがそれに続いた。
大手中堅だけではない。同じく11日には新興EVメーカーの理想汽車(リ・オート)、小鵬汽車(シャオペン)、蔚来汽車(NIO)、零跑汽車(リープモーター)、小米汽車(シャオミ)なども同様の発表を行った。
政府の狙いは中小企業支援
異例の動きの裏には、中国自動車業界の過当競争を憂慮し、(部品メーカーに多い)中小企業の不満を抑えようとする中国政府の介入があった。
「サプライチェーンの安定を確保し、自動車産業の質の高い発展を促進するため、国および関係省庁が出した一連の要請に応える」。BYDは支払い期間短縮の声明の中でそう述べた。
なお、各社が支払い期間を一様に60日以内とした根拠は、中国国務院が6月1日に施行した「中小企業への代金支払いを保障する条例」にある。同条例は政府機関や大企業が中小企業から物品やサービスを購入した場合、最長でも60日以内に代金を支払わなければならないと定めている。
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