"現行憲法下では初"の異例事態、なんとも不可解な「衆院委員長解任」にほくそ笑む《本当の黒幕》とは誰か

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また、今国会の会期末は22日だが、21日は土曜日で22日は日曜日のため、今国会は事実上20日で終わり、参院選に突入する。しかし、同法案の審議のために週末を使うとなると、改選を迎える参院議員たちも国会に出向かなければならなくなる。

さらに、「委員会開催を怠った」とする井林氏の解任理由にも疑問が残る。野党は16日午後に委員会の開催を要求する書面を井林氏の国会事務所に持参したが、井林氏が不在のために秘書が預かった。そして、翌17日午前に井林氏が受領の署名をして返却し、理事懇談会の開催を求めたが、野党側は応じてくれなかった。

そこで井林氏は理事懇を開かずに委員会を開催する道を探ったが、それもなぜか閉じられた。解任決議の際の憤然とした井林氏の表情の背景には、こうした事情があったのだ。

「背後で絵を描いているのは…」

にもかかわらず、なぜ現行憲法下では初という衆院財政金融委員長解任という事態に至ったのか。ある自民党関係者は、「夫婦別姓や企業団体献金の禁止では、野党は足並みがそろわなかった。一番すり寄せができたのがガソリン税の暫定税率廃止だったので、これで7月に予定される参院選へのアピールにしたかったのではないか」と話す。

確かにガソリン税の暫定税率廃止については、国民民主党は昨年12月に自公との幹事長合意に含ませることに成功した。日本維新の会は3月に廃止法案を提出して7月1日からの廃止を求めており、立憲民主党も4月に「ガソリン税暫定税率廃止法案」と「軽油引取税暫定税率廃止法案」を提出している。

立憲民主党と国民民主党は3月に、揮発油税や軽油の取引税などに関する「所得税法等の一部を改正する法律案に対する修正案」と「地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案に対する修正案」を共同提出している。

動きがあったのは6月5日で、国民民主党が立憲民主党と日本維新の会に廃止法案の共同提出を呼びかけた。それが決まったのは6月10日で、翌11日に法案が提出されたが、この日の衆院財政金融委員会には羽田空港の税関への視察予定が入っていた。

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