――デジタル系を今後2~3年で損益均衡圏に持っていきたいとのことでしたが、現時点では決め手となるような打開策をまだ打ち出せていない、と。
いい方法があったら教えてほしい。東洋経済さんにいつでも派遣するから。
例えば、袴田巌さんの動画(編集部注・再審無罪判決が確定した袴田巌さんの獄中からの手紙でその半生をたどった、デジタル特集「巌より - 袴田さん 獄中からの手紙」。「日本タイポグラフィ年鑑2025」のグランプリを受賞)のように、デザイナー、記者とテックの人たちが1つになっていいものが作れるようになってきている。「朝日新聞ってデジタルも骨太でやるね」となっても、骨太だけだと疲れてしまう。その周りに(エンタメ要素など)どういうものを付けてお客様の気持ちに応えていけるか、今しゃかりきに研究をしている。

編集部門の意識変化が(電子版で先行した)日経新聞さんと比べると10年遅れたと思う。私が編集部門にいたときは、配信というと「負担増だ」「誰が見るんだ」という声が普通にあったが、今はかなり変わってきた。
この前も石破首相の商品券問題(編集部注・石破氏が初当選した15人の自民党議員に対して1人当たり10万円相当の商品券を配布していた事案を朝日新聞が特報)をすぐにデジタルで配信したのは、思い切ったなと思った。
CVやPVに走ったときもあったが…
――デジタルを強化するうえで、有料会員数のようなものがKPIになるのでしょうか。
KPIというと、ジャーナリズムとメディアの境界の難しさになる。
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