この部屋の住人も同じで、あるきっかけが訪れるまで動くことができなかった。
「大家さんに『ガスの給湯器を交換するので業者が部屋に入りますよ』と言われ、このままじゃとてもじゃないけど入れられないので片づけることにしたんです。前々から家に帰ってきても疲れが取れませんでしたし、“どうしようかな”といろいろ考えているとつらくなってくるんです。どこかで踏ん切りをつけないといけないと思ってはいたので、いい機会かなと」(住人の男性)


一度、生活をリセットしたかった

現場に入ったスタッフは全部で8名。作業完了まで5時間かかった。ゴミを搬出した後は、残った家具や床を磨き上げていく。みるみるうちに30年分の汚れが落ちていった。その様子を前に、住人の男性が感慨深い様子で話す。
「一度生活をリセットできてよかった。いいスタートを切れそうですし、大家さんにも怒られなくて済みます。これで人並みの生活ができるかなと思います。今にして思えば(片付けずに放置していたことが)バカみたいだなと思います」
住人の男性は「生活のリセット」にこだわっていた。ゴミ屋敷清掃は部屋に溜まったゴミだけではなく、心に引っかかっていたあらゆることも片付けることができる。


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