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与党が与党であるための「PB黒字化」、”骨太”で先送りしたが旗印は下ろさず...コロナ禍前までの「債務残高引き下げ」時期も暗示されている

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
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また、PBが赤字であると、社会保障や教育などの行政サービスを提供するための今年度の経費を、今年度の税収だけで賄いきれていない状態である。PBの赤字は、今年度の経費で国民は行政サービスなどの恩恵を受けているのに、その財源の一部を来年度以降に負担を先送りしている大きさを意味する。

そして、「骨太方針2025」では、「2025年度から2026年度を通じて、可能な限り早期の国・地方を合わせたPB黒字化を目指す」と明記した。

つまり、今年度は未達かもしれないが、来年度こそ達成するという政府の意思を示したといえる。

しかし、PBを黒字化したからそれで終わりということではない。「骨太方針2025」では、PB黒字化を達成した後の目標についても明記した。

2030年度までに「コロナ禍前まで戻る」

それは、「『経済・財政新生計画』の期間を通じて、(中略)PBの一定の黒字幅を確保しつつ、債務残高対GDP比を、まずはコロナ禍前の水準に向けて安定的に引き下げることを目指」す、と明記した。

これだけを読むと、債務残高対GDP比をコロナ禍前の水準に引き下げることが、次の財政健全化目標と設定したといえる。しかし、そこには目標達成年次には何も言及していないようにみえる。

さかのぼること5月27日、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会は、建議「激動の世界を見据えたあるべき財政運営」を取りまとめた。その建議には、「まずは2030年度までに、債務残高対GDP比について、コロナ禍前の水準に向けて安定的に引き下げることを目指すべきである」と打ち出した。「2030年度までに」と目標年次を提言していたのである。

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