
中国のAI(人工知能)半導体開発企業、中科寒武紀科技(カンブリコン)が計画している第三者割当増資について、上海証券取引所が6月4日付で届け出を受理したことがわかった。
上海証券取引所が開示した関連資料によれば、カンブリコンは最大35名の投資家に対して2087万株を上限とする新株を発行し、最大49億8000万元(約994億円)を調達する計画だ。
同社はそのうち29億元(約579億円)を(生成AIの基盤になる)大規模言語モデル用AI半導体の開発に、16億元(約319億円)を大規模言語モデル用ソフトウエアの開発に、4億8000万元(約96億円)を運転資金などの一般用途に充てるとしている。
株価は過去最高値圏
カンブリコンは2016年に創業し、2020年7月に上海証券取引所のハイテク企業向け新市場「科創板」に上場した。今回の第三者割当増資は、同社にとって上場以降で2回目となる。
前回の第三者割当増資は2022年6月に計画を発表し、最大26億5000万元(約529億円)の調達を予定していた。ところが、その後2度にわたって計画の見直しを余儀なくされ、2023年4月の増資完了時の最終調達額は16億7200万元(約334億円)にとどまった。
当時と比較すると、カンブリコンを取り巻く市場環境は(世界的なAIブームのおかげで)はるかに良好だ。同社株の6月4日の終値は607.5元(約1万2120円)と、1年前の約3.2倍に上昇。株価は上場以降の最高値圏にあり、時価総額は2540億元(約5兆674億円)に達している。
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