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TSMC、最先端半導体技術の「海外流出防止」に自信 巨額対米投資への不安に、経営トップが火消し

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TSMCがアメリカのアリゾナ州で建設を進める半導体工場群の計画総投資額は23兆円を超える(写真は同社ウェブサイトより)

「わが社の技術力は、1万人のエンジニア(のたゆまぬ努力)によって培われたものだ。もしそれが簡単に盗み出せるものなら、今日のわが社(の繁栄)はなかっただろう」

半導体の製造受託(ファウンドリー)世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家CEO(最高経営責任者)は、6月3日に開催した年次株主総会でそう述べた。

この発言の裏には、TSMCが海外工場の建設を加速する過程で、同社の圧倒的競争力の源泉である世界最先端のプロセス技術が(台湾から)流出するのではないかという投資家の不安がある。

「少数の人間では盗めない」

だが魏CEOは、上述の発言を次のように補足して技術流出の可能性を否定した。

「TSMCの技術は極めて精緻であり、少数の人間の手で盗み出せるレベルではない。われわれが世界各地に工場を建てているのは、技術の流出防止に自信があるからだ」

アメリカ政府はTSMCに対して、(安全保障上の懸念を理由に)製造した半導体の最終的な行き先を管理するよう求めている。「それは可能なのか」という株主総会での質問に、魏CEOは「部分的には管理可能だ。アメリカ政府と協議して法的要件を満たしていく」と回答した。

TSMCの主要顧客には、アップルやエヌビディアなどアメリカの有力企業が数多く含まれている。2025年1~3月期の決算報告書によれば、同四半期の総売上高の77%を北米市場向けが占めていた。

第2次トランプ政権の発足以降、アメリカでは関税政策や経済政策の不確実性が高まり、多くの外国企業が投資に慎重になっている。そんな中、TSMCは巨額の対米追加投資を決断した数少ない外国企業の1社だ。

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